column.2 大人の流儀
「上原浩治にとって組織力とは」
うちの監督は何も言わんからなあ(笑)。まあ、彼はおくとして、一つには、上司から声をかけることって、やっぱり大事だと思いますよ。それがたとえ一言でも、部下は嬉しいですよ。「気にかけてくれてるんだ、よし、頑張ろう!」って思いますから。話題は仕事のことじゃなくても、ゴルフの話題でも、家族のことでも、何でもいいですよ。ぼくは巨人時代の10年間で三人の監督にお世話になって、原監督は自然にそういったことができる方でした。その意味でも感謝しています。要は大事なときに「あの人のために!」っていう気持ちになれるかどうか。いざという時にその力学が働く組織でありたいですよね。
執筆者プロフィール
上原浩治 Koji Uehara
ボルチモア・オリオールズ投手
経 歴
大阪府出身(出生は鹿児島県)。東海大学付属仰星高校から大阪体育大学に進学し、大学3年時に日本代表に選出。1997年に出場したインターコンチネンタルカップ決勝では、当時国際大会151連勝中だったキューバから先発勝利をあげ、注目された。ドラフトで読売ジャイアンツに1位指名(逆指名)を受け、1999年に入団。ルーキーイヤーに20勝投手となり、最多勝利、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率の4冠を獲得し、新人王と沢村賞も受賞。翌2000年は肉離れのため登録抹消となるなど、ケガに苦しむシーズンを送るも、2002年に再び17勝をあげ、優秀選手賞を受賞。2004年にはアテネオリンピック野球日本代表に選出され、銅メダル獲得に貢献。2006年のワールド・ベースボール・クラシックでも日本代表のエースとしてチームを優勝に導いた。2009年にボルチモア・オリオールズに入団。ベテラン投手の一人としてチームを牽引している。