こんにちは。ボルチモア・オリオールズの上原浩治です。
皆さん、ぼくのブログ見てくれてますか? B-plusの担当スタッフの方が教えてくれたんだけど、ぼくが先日行ってきた「ニグロリーグ記念館」。ヤフーでキーワード検索したらぼくのブログがトップに来るんだってね。皆読んでくれてるんやね。ありがとう。
「上原浩治にとってライバルとは」
ライバルって、実は、個人単位で考えたことはあんまりないんです。強いて言えば同級生かな。中日からメジャーに来た川上憲伸とか、今ベイスターズで投げてる清水直行とかね。
立場的には、自チームの投手陣は皆ライバルですよ。ブログに出てもらったグレッグも、ポジションを競う相手やからね。だから、競ってる試合であれば「頑張れ!抑えてくれ!」って思って見守りますけど、10-3とか、点差も余裕の試合だったら「ちょっとぐらい打たれろ」って思います。10-7ぐらいで終わるほうが試合としても面白いでしょう(笑)。
皆さんも、ライバルとか目標にする人は他社よりも社内で、身内で持つべきだろうと思います。そのほうが励みにもなりますし、いい成績の人がいればやり方もすぐ聞けるでしょう。変なプライドなんか要らないですよ。ぼくも調整の仕方とか、投げ方とか、どんどん聞いて見習います。そうやってチーム内で競い合っていければチームにもメリットだから。「チーム=会社」「チームメイト=同僚」って置き換えてもらえれば、ビジネスマンの世界でも同じことが言えるでしょう。
「上原浩治にとってモチベーションとは」
うちのチーム(オリオールズ)でモチベーションを考えるのは・・・・・・難しいね(苦笑)。 まずは「自分」ですよ。今頑張れば来年も契約してもらえるわけだし、その時々のチームの雰囲気に流されて自分の成績まで落としたら自分が後悔するだけ。責任は自分にある。
もちろん、チームに言いたいこともあるよ。いっぱいある。一つ思うのは、若い選手が雰囲気に流されて負の連鎖に入ってしまうのはもったいないよね。その意味では、まずは「自分さえよければ」の精神でいいと思う。普段からそうだと、ただのイヤな奴だけどね(笑)。野球もビジネスも、チームは個の集合だから、一人でも「あいつが頑張ってるから自分はいいや」っていう奴がいると勝てないよね。
それでも、どうしても実力的に弱いチームに“配属”されることだってありますね。今のぼくが実際そうです(笑)。そこで、こう考えたらどうでしょう。「弱いチームが強いチームに勝つのは面白いんちゃうか」。実際ぼくも、オリオールズにいてヤンキースやレッドソックス相手に投げるのは楽しいんです。「弱いチームで投げるのは損」とは思いません。自分の好きな野球をいかに楽しめるかという気持ちで、野球選手をやってるからね。
このあたりも、メジャーに来て考えが変わった点の一つです。言葉が通じなくても成績さえ残していれば周囲は寄ってくる、とかね(笑)。野球選手もビジネスマンも、職業として求められるのは成績ですよ。働くってそういうことでしょう。周りには成績を残して、自分は楽しんで。ぼくもいつまで投げられるかわからんから、一日一日を楽しんでピッチャーをやっています。
「単調な仕事の繰り返しで、これでいいのか」って思ってる人に向けて? でも、誰だって、家族のためとか、生活のためとか、絶対に何かあるはず。その「〇〇のために」っていう姿勢が大事なんだと思いますよ。