記念の一冊になったと感じたこと2つ
巻末の光景と、息子の机にあったもの
一番は巻末の「その他の著作」の宣伝ページをサトーカメラで埋められたことだ。これは私の長年のささやかな夢だった。同文舘出版さんの本はこのページは5枠。ここに部下の豊島定生専務と竹原賢治常務の本、それに私の直近3冊を並べて計5冊。サトーカメラ関係者の著書でページジャックをさせていただいて、「サトカメシリーズ」ラインナップが初お目見えした。嬉しいね。
記念だなぁ、一巡だなぁ、と思った二番目は、最後の校正を進めていたときの不思議な巡り合わせだ。9月初旬の朝、本部に行くと、息子の勇士の机の上に私の処女作『日本一のチラシはこうつくれ』があった。思わず手に取って、「これいい本なんだよ。この戦略はネットビジネスでも使えるだろう?」と勇士に話しかけながら表紙をめくったら、「宮内亨様へ 2003年1月 佐藤勝人」と私のサインがあった。
なんと、全部で4万部出たうちの、宮内亨先生に献本したまさにその一冊が、宮内先生の息子さんでコンサルタントの宮内海先生を経て勇士のところに来ていたんだよ! あれはちょっと胸にこみ上げてくるものがあった。と同時に、初めて本を書いたときのことを思い出した。
宮内亨先生との出会い
そして初挑戦が始まった
今をさかのぼること23年前。1998年は折込チラシが広告の王様で、船井総合研究所取締役本部長の宮内亨といえば当時からチラシ戦略の第一人者だった。当時サトーカメラの会計士の先生が宮内先生に師事していて、サトカメのチラシを宮内先生に見せたところ、「私の理論を体現している! 信じられない会社だ」という話になった。それで会ったら「キミは船井総合研究所に来なさい、コンサルタントになりなさい」と熱烈にスカウトを受けた。私自身はコンサルタントの道なんて1度も考えたことがなかったので、その場は断った。
それから1年たった頃。「都内の上野にいるから来ないか?」と宮内先生から電話があった。行ってみると、宮内さんは文芸社の理事長と一緒だった。理事長は船井幸雄や稲盛和夫の著作の編集に携わってきた人物で、こっちは34歳の若造だ。簡単に紹介されて、二人の話の続きが終わって、宮内さんが何かで席を外したときに、私は理事長に「本を書きたいんですけど」と聞いてみた。船井総研入りを断ったときに宮内さんから、「本を書きなさい」と言われていたからだ。
理事長は「勝人さんの話は聞いてるよ。私の見立てでは経営の稲盛と戦略の船井を足して割ったような人だから売れると思います」と言われ、契約書を出してきた。ご存じの人もいると思うが、文芸社は自費出版でも有名な出版社だ。だから私の契約も自費出版だった。後で宮内さんに契約のことを話したら、「出版業界に面通しさせるつもりで呼んだのに、その場で出版契約したの!?」と呆れられたけど、私は別になんとも思ってない。だって一般人が書いた本なんて売れるはずがないもの。それを知っているから理事長は自費出版から始めるよう勧めてくれただけで、宮内さんも、「自分で納得したならば、頑張れ」と言ってくれた。
そして執筆を始めたのが1998年12月。目次はものの30分で書き上がった。我ながらあれはすごかった。――けど、そこからが大変だった。書けない。全然書けない(笑)。実を言うと私はそれまで本を1冊も読んだことがない、大の本嫌いで、大の読書嫌いだった、子どもの頃から読書感想文も1回しか書いたことのない男、作文は大の苦手、その大の苦手を克服したくて無謀な行動に出たわけだが・・・。
それでも書けない。カレンダーの月だけがめくれていき、ズルズル来て2001年に入った。執筆開始から丸2年強経過だ。この頃はもう半分病んでいたと自分でも思う。何が書けていて何がまだ書けていないかとか、あのこととこのことはどう繋がるかとか、訳がわからなくなっていた。完全にギブアップ寸前だった。
同い年の著者を見つけて発奮
「負けてたまるか!」と思って書き上げた
ただ、著者の考えは私には受け入れ難かった。「わかるけど、こういうマーケティング論を広めてほしくないなぁ」と感じながら読み終えて、著者略歴を見たら、私と同い年だった。その瞬間に、「こんな小料理屋商法のコンサルタントに負けてたまるか! 絶対に書き上げてやる!」という気持ちがふつふつと湧いてきた。それで再び火が点き、翌2002年、実質3ヶ月で原稿を書き上げた。
タイトルに関しては、当初は『地域一番店の繁盛法則』みたいなタイトルだった。入稿段階で誰かの推薦があったほうがいいと思ったので宮内さんにお願いしたら、宮内さんから『日本一のチラシはこうつくれ』というタイトルの本として推薦文が返ってきた。それで私は「これに変えろということだな」とピンと来て、土壇場でタイトルを変更することになった。
その本が晴れて書店に並び、「書店員が選ぶ今年の何々」みたいな感じで草の根の本好きの人たちに高く評価され、それがきっかけで部数が伸びた。増刷分からは商業出版に変わり最終的に計4万部売れたのはお話しした通りだ。
棚割りは「ネットビジネス」!?
「こんな本見たことない!」を再度狙いたい
その中でも今回は、担当編集者さんの言葉を借りると「2021年現在の佐藤勝人の集大成」とも呼べる一冊になった。B-plusさんで10月13日から読者プレゼントが始まったし、来月10日発売の日本商工会議所発行『月刊 石垣』には本の内容をもとにした誌上セミナーも載っているから、そちらもよろしくお願いします。
ちなみに今回の本。私の著書としては初めて「ネットビジネス」部門に並んでいます。10月13日現在、Amazonの売れ筋ランキング2位。同カテゴリーの他の本に比べるとタイトルも紹介文も浮いてるくらい異色だけど(笑)、カタカナ語が飛び交うこのカテゴリーで、私の超実践的な手法がどう評価されるかな。1作目が「チラシの本だけどチラシのことは書いていない実践的な戦略本」「リアルをここまで赤裸々に描いたビジネス書は初めてだ!」と評価されたみたいに、今回の本も高評価されると嬉しいな。
※佐藤さんの新刊を5名様にプレゼントします!
応募ページはこちら https://business-plus.net/business/2110/211013_tp0052.html
事務局 中山スポーツ
■10月29日勝人塾WEBセミナー
事務局 サトーカメラ
https://www.shop-satocame.com/view/item/000000012046?category_page_id=ct674
■11月1日和歌山勝人塾
事務局 藤原農機
■11月5日宮崎勝人塾
事務局 西都商工会議所
https://onl.tw/Wq5Bw15
■11月12・13日富山勝人塾
事務局 富山県中小企業団体中央会
■11月16日新潟勝人塾
事務局 おぐま式POP塾
https://onl.tw/X9JJay7
■11月18日19日岡崎勝人塾
事務局 岡崎商工会議所
https://www.facebook.com/okazakikatsuhitojyuku
■11月24日滋賀勝人塾
事務局 中山スポーツ
■11月25日PIO勝人塾
事務局 郡上商業開発
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vol.60 12冊目の著書が出た今月、著者歴19年目にして思ったこと。
著者プロフィール
佐藤 勝人 Katsuhito Sato
サトーカメラ代表取締役副社長/日本販売促進研究所.商業経営コンサルタント/想道美留(上海)有限公司チーフコンサルタント/作新学院大学客員教授/宇都宮メディア.アーツ専門学校特別講師/商業経営者育成「勝人塾」塾長
経 歴
栃木県宇都宮市生まれ。1988年、23歳で家業のカメラ店を地域密着型のカメラ写真専門店に業態転換し社員ゼロから兄弟でスタート。「想い出をキレイに一生残すために」という企業理念のもと、栃木県エリアに絞り込み専門分野に集中特化することで独自の経営スタイルを確立しながら自身4度目となるビジネスモデルの変革に挑戦中。栃木県民のカメラ・レンズ年間消費量を全国平均の3倍以上に押し上げ圧倒的1位を獲得(総務省調べ)。2015年キヤノン中国と業務提携しサトーカメラ宇都宮本店をモデルにしたアジア№1の上海ショールームを開設。中国のカメラ業界のコンサルティングにも携わっている。また商業経営コンサルタントとしても全国15ヶ所で経営者育成塾「勝人塾」を主宰。実務家歴39年目にして商業経営コンサルタント歴22年目と二足の草鞋を履き続ける実践的育成法で唯一無二の指導者となる。年商1000万〜1兆円企業と支援先は広がり、規模・業態・業種・業界を問わず、あらゆる企業から評価を得ている。最新刊に「地域密着店がリアル×ネットで全国繁盛店になる方法」(同文館出版)がある。Youtube公式チャンネル「サトーカメラch」「佐藤勝人」でも情報発信中。
オフィシャルサイト
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