工場全焼から一年
復活した添田社長の立派さ
でも、添田社長は立派だった。従業員への支払いとか設備の入れ替えとか、夜も寝られない心配事が山積みの中で、「保険金だけもらって廃業しちゃえば?」なんていう入れ知恵もあった中で、「絶対復活する!」と心に決めて頑張った。そして立ち直った。偉いよね。
それにしても、「保険金をもらって廃業」って考える人もいるんだなぁ。そりゃ添田社長も、一瞬は頭をかすめたかもしれないよ。だけどそうしないことを、私は知っていた。だって、県内だけでシェア8割を持っているんだ。それはつまり、県内の関連業種の8割の運営を支えているということだ。「自分じゃない、お客さんのために復活してみせる」と添田社長が決意したのは必然だったと思う。
それに比べ、この時期は毎年思うんだけど、「さあ正月だ! 休もう!」と考える商店経営者の情けないこと。またそういう経営者に限って、「年末年始に従業員を働かせるのは可哀そうだから」って言うんだよ。自分が休みたいだけなのに嘘つくなっての。
さて、ここから本題だ。今年一発目は、サトーカメラが大晦日夜から元日にかけてやった「24時間オンラインライブコマース」の話をしよう。
初めての試みは発見の連続!
それは除夜の鐘と共に始まった
最初に“中の人”から出た企画は「24時間マラソン」だった。本部の竹原常務に、大晦日から元日にかけて走ってもらうという。私が「24時間もの縛り」で、例えばで言った話を真に受けた案だ(笑)。
私は言った。「いやいや、そうじゃないよ。確かにおもしろくはなるかもしれないけど、オンライン事業部はオンラインで売るのが仕事だろ。マラソンを走ったらカメラが売れるのか? 売れないだろう。だから、やるなら「24時間初売り」だ! うちのYouTuberを全員登場させて、交代で24時間、ライブで売れ!」。
そして大晦日当日。夜9時に「24時間オンラインライブコマース」が始まった。一番手はHDR高橋だ。私は自宅の部屋でiPhoneで視聴しながら来訪者数をチェックしていたけど、最初から300人ぐらい入ってくれたのは感動した。それでそのまま見ていたら、やっぱりおもしろい。生配信だし、コメントしたら拾ってくれるから、“参加してる感”がある。
一つだけ個人的に罠だったのは、高橋くんは癒しボイスなのよ(笑)。だから私、いつのまにか寝ちゃって。ホント申し訳ないんだけど、ちゃんとお客さんが来ることがわかって安心したのもあってね・・・。
で、目が覚めたら朝6時。iPhoneの画面は三品くんに変わっていた。元旦の早朝なのにマシンガントークでガンガン盛り上げている。お客さんはやっぱり300人ぐらいいる。私は「これちょっとすごいんじゃないか」と思いながら本部に行って、8時からのブローニー坂本の時間に合流(乱入?)。結果、24時間で目標の1000万円を、見事売り上げた!
一番売り上げが多かったのは日付が変わり年が明けた深夜12時からと、朝の8時9時あたりだったそうだ。それまではお客さんもなんとなく待っている感じで、除夜の鐘が「ゴ~ン」と鳴ったのを機にワーッ! と売れ始めた。皆さん、初買いで景気を付けたかったんだね。
熱気と一体感に包まれた元日の本部
昨年とは雰囲気がまるで違った
私は感動した。「これだよ! これが商店経営者の正月だよ!」と思った。だって、今時、一般の人たちはお正月っていっても特別な行事はないんだよ。むしろ暇でつまんないんだ。そこに我々が特別感を演出して提供してあげるわけで、これが楽しく思えなかったら嘘だよね。商業に携わる人間としてね。
その点、サトーカメラの面々は本物だった。みんな心底、大晦日と元日の稼働を楽しんでいた。最後なんか盛り上がり過ぎて終わるに終われなくて、夜10時までやったからね(笑)。だから実際は25時間に延びたんだけど、誰一人として文句を言う人はいなかった。みんな自信に満ち溢れて、「日本一早い初売りしたよな!」「やったね、私たち!」と盛り上がっている。さすがに元日0時に生で初売りをしているところは他になかったと思うから、“やったった感”がハンパなかったんだよね。
ちなみに今回、マジ25時間ぶっ通しで稼働した人が一人いる。“中の人”こと神谷執行役員だ。もちろん、半分お祭りだから、仕事に影響がない範囲でお酒もちびちび飲みながらだったけど、気持ちよさそうに延々、配信管理をこなしてくれた。おかげで通算1万人ぐらいの視聴者を迎えることができたから、彼にも「よくやった!」と言ってやりたい。
「チャレンジしたい。力を付けたい」
経営者はその気持ちに応えろ!
この点は「働き方改革」も一緒だと思う。今の働き方改革はいかに労働時間を短くするか、いかに休みを取らせるかの話になっている。中身は「休み方改革」だ。そうじゃなく、「働き方改革」と言うなら「働き方」を教えなきゃ。「働くというのはこういうことだよ。こういう喜びと成長がある、素晴らしい営みだよ」という話をせずに、看板と中身をすり替えたままラクすることだけ学ばせるのは、それこそ彼らに対して失礼だ。
だから、次の大晦日の「24時間オンラインライブコマース」は27時間に延ばします。その前に、夏は『24時間テレビ 愛は地球を救う』の裏番組にもぶつけます(笑)。こんなふうに今年もアソシエイトと一緒にいろんなチャレンジをするから、ヨロシク!
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vol.51 年末年始の「働かせ方」をめぐり、オンライン生配信で得た新たな気付き
著者プロフィール
佐藤 勝人 Katsuhito Sato
サトーカメラ代表取締役副社長/日本販売促進研究所.商業経営コンサルタント/想道美留(上海)有限公司チーフコンサルタント/作新学院大学客員教授/宇都宮メディア.アーツ専門学校特別講師/商業経営者育成「勝人塾」塾長
経 歴
栃木県宇都宮市生まれ。1988年、23歳で家業のカメラ店を地域密着型のカメラ写真専門店に業態転換し社員ゼロから兄弟でスタート。「想い出をキレイに一生残すために」という企業理念のもと、栃木県エリアに絞り込み専門分野に集中特化することで独自の経営スタイルを確立しながら自身4度目となるビジネスモデルの変革に挑戦中。栃木県民のカメラ・レンズ年間消費量を全国平均の3倍以上に押し上げ圧倒的1位を獲得(総務省調べ)。2015年キヤノン中国と業務提携しサトーカメラ宇都宮本店をモデルにしたアジア№1の上海ショールームを開設。中国のカメラ業界のコンサルティングにも携わっている。また商業経営コンサルタントとしても全国15ヶ所で経営者育成塾「勝人塾」を主宰。実務家歴39年目にして商業経営コンサルタント歴22年目と二足の草鞋を履き続ける実践的育成法で唯一無二の指導者となる。年商1000万〜1兆円企業と支援先は広がり、規模・業態・業種・業界を問わず、あらゆる企業から評価を得ている。最新刊に「地域密着店がリアル×ネットで全国繁盛店になる方法」(同文館出版)がある。Youtube公式チャンネル「サトーカメラch」「佐藤勝人」でも情報発信中。
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