出張で遅刻しないための原則2つ
私の出張時の移動の原則は、「その1、1時間前には現地付近に到着し、遅くても30分前には会場入りすること」。「その2、路線検索で出てくる経路の1本前の便に乗ること」です。2については、乗り継ぎが多い遠方の会場に行く時は2本も3本も前の便に乗ることもあります。それぐらい保険をかけておかないと、安心できないんだよね。
遅刻への備えを2人のプロに教わった
何だか知らないけど、来ないのよ、新幹線が。5分、10分程度の遅れならば大丈夫だろう、乗っちまえば乗り換え駅で取り返せるだろうから、と思って待っていても、来ない。さすがにマズイ気がしてきて、在来線で向かう経路を調べても、どう行ったって間に合わない。50分遅れたその新幹線に、とにかく乗るしかない。でも、今からだと後の乗り継ぎが上手く噛み合わず全部ずれて、会場着が17時過ぎになる。何せまだ北陸新幹線の開通前で、新潟から金沢は在来線を乗り継ぐしかなかったからね。
青ざめた。本気でヤバいと思った。それで、力が抜けそうになりながら主催者にお詫びの電話を入れた。ごめん! 本当に申し訳ない、かくかくしかじかで・・・と相談したら、「ならば先生、群馬県の高崎駅で降りてください!」って言うんだよ。「高崎駅に迎えを手配しますから!」って。群馬県の高崎から車で北陸の金沢? どういうこと? と思うじゃん。でも、とにかく高崎駅で降りた。そうしたら駅前に国産の黒塗りの高級車が待っていて、ちょっと強面な感じの兄ちゃんが起き抜けみたいな恰好で出てきて「先生乗ってください」って言うの。彼が言うには「金沢のアニキから、先生を時間までに間に合わせろってことなんで」って。
ここは高崎だぞ!? 今から車で飛ばしたとこでどうにもならんだろ! とこっちは思うんだけど、走りはじめたら、彼すごいよね。市内の一般道を、時速150kmでぶっ飛ばすのよ。遅刻する前に死ぬと思った。マジで。私が後部座席で手足を突っ張ってヒイヒイ言っているうちに車は下道を抜けて、高速道路に乗ったら、今度は時速230 kmだ。トンネルの中はもっと速くて250 km。普通ならばトンネル内は速度を落とすじゃない。彼は違うんだよね。運転席から説明してくれた話によると、トンネル内は横風がなくて路面が乾いているから、一番安定して飛ばせるんだって(笑)。他にもちょこちょこ話を聞いたら、要は彼、プロなのよ。政治家や芸能人が絶対遅れられない予定に遅れそうになった時に、彼のような人たちが呼ばれるんだってさ。
そうやって金沢の会場に着いたのが16時。大急ぎで登壇して、2時間予定の講演を1時間に圧縮してなんとか終えた後、主催者からこってりしぼられました。そりゃ怒るよ。客から金を取って開催している講演会なんだから。その彼が言うには、宇都宮から金沢まで来るのに30分しか余裕を見ないなんて危ないな、と思っていたんだって。それで「これから交通機関は予定の1本前の便に乗るように! 常にそういう保険は大事です!」ときつくお叱りを受けました。またその主催企業が保険会社だったから、なおさら説得力が違ったなあ。
家族経営の強みを自ら捨てるな
なぜいいか。夫が経営者のケースが多いからその例で説明すると、世の社長たちはどうしても、「経営は男の戦場だ! 女はわからなくていい」という考えになりがちなんです。当然、嫁は仲間外れにされておもしろくないよね。だから、亭主が例えば視察セミナーに行って、懇親会でたまたま女の子と並んでいる写真を見つけたりしたら、もうダメ。ちゃんと勉強しているのに、「またうちの亭主は遊んでばかり・・・」と僻んじゃう。亭主が「あれを見てきた、これも勉強してきた、よし、やるぞ!」とテンション上げて帰ってきても、嫁はシラーッとして、「どう思う?」と亭主が意見を求めても、「どうせ上手くいかないわよ」とか、「私に言われたってわかんないわよ!」みたいなシラけた反応しか帰ってこないんだ。だから話を聞いてくれる外部に彼女を求め、そのうち夫婦仲が悪くなり、家庭がおろそかになって、経営もそのまま終わるという・・・。馬鹿な話だよね。
私が嫁を教育した理由も、そうなるのが嫌だったからなんです。最初は「とちぎ勝人塾」の受付をやらせたんだよね。初めは嫁も出たがらなかった。けど、亭主のセミナーを生で見て、参加者から「あれが佐藤さんの奥さんか!」という目で見られたり、私の代わりに相談されたりするうちにだんだん変わってきた。経営者の妻としての自覚が出てきて、会社のことも勉強するようになり、協力的になった。
そうすると、亭主の話がわかってくるわけだよ。話が通じるようになれば、亭主だって、嫁をのけ者になんかしないよ。だって、中小零細企業は家族経営が基本なんだから。嫁を入れて、息子や娘も入れて、家族で考えを共有して一緒にやっていくのが一番いいんだ。それにまた、そのほうが経営者としても楽なのよ。勤務中しか一緒にいない従業員に話をわからせるのと違って、家族はちょっと話せばわかろうとしてくれるから通じるのも早い。
だから、これから勝人塾に来る経営者は、ぜひご夫婦で参加されるようお勧めしますよ。すでに参加している人でまだ夫婦で来たことがない人は、一度奥さんや家族を連れてくるといい。カッコをつけて建前の話ばっかり家族にしていた人はそれがバレるけど、恥ずかしいのは最初だけだ。弱い自分をさらしてもあなたを支えてくれるのは妻であり、夫であり、家族だけですよ。私たちのような中小零細の事業者ほど、そのことを忘れちゃいけないと思いますけどね。
-2017年9月後半~10月の勝人塾-
経営者の悩みを即解決! 少人数制・公開コンサルティング形式の経営者のための勉強会「勝人塾」。9月後半~10月は下記日程で行います。当日参加、大歓迎!
9月後半~10月の勝人塾
9月25日にいがた勝人塾IN新潟
9月26日とちぎ勝人塾IN宇都宮
10月6日みやざき勝人塾IN西都
10月11日とやま勝人塾IN黒部
詳細はこちら
vol.11 保険の重要性と、一番の味方は家族なんだという話
著者プロフィール
佐藤 勝人 Katsuhito Sato
サトーカメラ代表取締役副社長/日本販売促進研究所.商業経営コンサルタント/想道美留(上海)有限公司チーフコンサルタント/作新学院大学客員教授/宇都宮メディア.アーツ専門学校特別講師/商業経営者育成「勝人塾」塾長
経 歴
栃木県宇都宮市生まれ。1988年、23歳で家業のカメラ店を地域密着型のカメラ写真専門店に業態転換し社員ゼロから兄弟でスタート。「想い出をキレイに一生残すために」という企業理念のもと、栃木県エリアに絞り込み専門分野に集中特化することで独自の経営スタイルを確立しながら自身4度目となるビジネスモデルの変革に挑戦中。栃木県民のカメラ・レンズ年間消費量を全国平均の3倍以上に押し上げ圧倒的1位を獲得(総務省調べ)。2015年キヤノン中国と業務提携しサトーカメラ宇都宮本店をモデルにしたアジア№1の上海ショールームを開設。中国のカメラ業界のコンサルティングにも携わっている。また商業経営コンサルタントとしても全国15ヶ所で経営者育成塾「勝人塾」を主宰。実務家歴39年目にして商業経営コンサルタント歴22年目と二足の草鞋を履き続ける実践的育成法で唯一無二の指導者となる。年商1000万〜1兆円企業と支援先は広がり、規模・業態・業種・業界を問わず、あらゆる企業から評価を得ている。最新刊に「地域密着店がリアル×ネットで全国繁盛店になる方法」(同文館出版)がある。Youtube公式チャンネル「サトーカメラch」「佐藤勝人」でも情報発信中。
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