こんにちは、川村ひかるです。今月から、健康管理士、そして食のエキスパートとして連載をスタートすることになりました！　タイトルはずばり「仕事がはかどる勝負ランチ」です。
 
皆さん、日ごろから食事に気を付けていますか？　朝や夜は家族が食事を用意してくれたとしても、お昼はコンビニや外食ということもあるでしょう。せっかくなら、ランチでおいしくパワーをチャージして、午後も良い仕事をしたいですよね。そこで、ビジネスにおける様々なシーンを想定し、ベストな食事の選び方やとり方をご紹介。この連載を通じて、皆さんに食の重要性をお伝えしていきたいと思っています。
 
というのも、私自身、20歳頃は食が疎かになっていました。何せ、レギュラーが7本に、撮影で国内外を飛び回る忙しさ！　毎食ロケ弁、小腹が空いたら楽屋のお菓子。本当は栄養バランスの良い温かいごはんを食べたかったけど･･･現場で私だけワガママは言えません。さらにストレス発散のために寝る間を惜しんでお酒を飲むという不摂生が続き、ついに体を壊してしまいました。
でも仕事はあるし、病院にも行けないし、どうしよう――と思ったとき、「自分に食の知識があれば、意識も変わるのでは」と気付いて勉強し始めたんです。ロケ弁を食べるにも「肉より魚。副菜は食べて、時間の経った揚げ物は控えよう」など実践するうちにおもしろくなり、自炊を始め、現場に玄米おにぎりを持参するようになりました。すると、体が疲れにくくなって眠りも深くなり、お肌のコンディションも抜群！　心にも余裕が生まれ、仕事に対するもチベーションも変わっていったんです。やっぱり、体は食べたものでできているんですよね。たとえ完全自炊は難しくても、正しく選んで食べれば、仕事のパフォーマンスはきっと変わってきます。そのために、この連載をぜひ役立ててください。
 

昼明けのプレゼン、何を食べて挑む？

 
さて、初回のテーマは「昼明けのプレゼン、何を食べて挑む？」。午後に大事なプレゼンを控えていて忙しくても、腹ごしらえはしておかないとですよね。準備がしっかりできてさえいれば、本番は集中力や記憶力、瞬発力がものを言います。そのために、ランチは脳の機能を高める食事を心がけましょう。
 
忙しいと疲れて物忘れもひどくなるし、脳は本当に大事！　脳の唯一の栄養は、糖質です。と言っても、甘いものなどで糖質をとり過ぎるのはダメですよ。糖質をとりすぎると一気に血糖値が上がった後、急に下がり、眠くなってしまいますから。炭水化物を適量とり、緩やかに血糖値を上げると良いでしょう。満腹になっても集中力が落ちるので、腹八分目が理想的ですね。
 
私なら、プレゼンの前は、糖質が少なくて胃もたれもしづらいお蕎麦を選ぶかな。お蕎麦は消化が早いので「お腹が空いてしまう！」という方は、山かけや、揚げ物をプラスして油分を摂取するなどして腹持ちを良くするといいかもしれませんね。油は胃に長く留まるけれど、消化にエネルギーを使ってしまうので、量はほどほどに。卵をプラスするなど、集中力や思考力UPに欠かせないタンパク質をとるのも良いと思います。「お蕎麦よりごはんが食べたいな」という場合、選べるなら白米より血糖値を緩やかに上げてくれる玄米を。おかずには、サバやサンマなど、脳の働きを高めてくれる油――DHAを含む青魚がおすすめです。午後の準備に手を取られ、どうしても時間がないときは、野菜の多いサンドイッチやバナナなど、すぐにエネルギーになるけど胃の負担が軽い炭水化物をとって、コンディション整えてください。プレゼン直前や休憩中にコーヒーや紅茶などカフェインをとるのも脳の刺激になっていいですし、ガムを噛んで唾液の分泌を促し、脳の働きをよくすると集中力が増しますよ！
 
 
ただ、1つアドバイスをすると･･･勝負ごはんは、昼どころか、前夜から始まっているということ！　そもそも、昼を軽くにするには、朝食をしっかり食べないとですよね？　寝起きで脳に糖質が空っぽのときこそ、緩やかに血糖値を上げる食事が大事。ごはんなどの炭水化物を少しと、お魚などのタンパク質、ビタミンやミネラル豊富な副菜といったバランスの良い和朝食がベストですが、果物や野菜ジュースでとるだけでも違います。朝食をとってエネルギーを燃やすことや、軽く運動して体を温めることは、仕事で良いパフォーマンスをするためのウォーミングアップになるんですよ。じゃあ、朝食をしっかり食べるには･･･？　前日の夜は寝る3～4時間前までには食事を済ませ、きちんと消化し、睡眠時は体を休ませておくこと。そうすると、翌朝は胃もたれもなく、空腹で目が覚めると思います。
 
こうした食習慣は、プレゼン前に限らず、日頃から意識してみてくださいね。良い仕事をするには、まずは良い食生活から。賢い食事で健やかに美しく――「賢食健美」を目指しましょう！