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同社ホームページトップ。どんなビジネスを行っているのか
オタク目線の発想で、そのニーズに応える商品やサービス提供企業を取り上げる本コーナー。このたび連載名に相応しい、「オタクによるオタクのための会社」を掲げる企業を見つけました! その名もラジモララ株式会社。社名からは何をしている会社なのか皆目見当がつかないけれど、オタクのための会社とあって何をしているのか気になる・・・。そこで、自身もK-POPグループ「BTS」を推すオタクだという代表取締役・長島愛氏にコンタクトを取り、どんなビジネスを展開しているのか聞かせてもらいました!
 
 

安心・安全のグッズ取り引きを支援するプラットフォームを提供

 
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グッズ交換の不便を解消するアプリ「3eets!」を制作中
長島社長によれば現在、同社は事業第1弾として、グッズ交換などをサポートするWebアプリ「3eets!(ミーツ)」の開発・運営を手がけているとのこと。“ランダム”系の商品が多い界隈において、自推しのグッズをコンプリートするには交換が必要不可欠。にもかかわらず、それに特化したプラットフォームが存在していなかったことに不便を感じていた長島社長は、常々「交換専門の場があればいいのに」と打開策を考えていたそう。実際、グッズ交換の際にはTwitterなどを駆使して不特定多数のユーザーに呼びかけるケースがほとんどで、現状として見知らぬ人との取り引きが発生することも少なくありません。また、交換方法として手渡しよりも時間や場所の制約がない郵送が好まれるために、「グッズを送ったのに相手がいつまでも送ってきてくれない」「個人情報を提示した途端、連絡が取れなくなった」といった被害に遭う人も。こうした危険性がありながら、“不安<推しを手に入れたい欲求”という不等式が成り立つオタクの世界で、グッズ交換におけるトラブルは増える一方。そんな状況を見かねて、長島社長はストレスなく交換を楽しめるプラットフォームづくりに着手したといいます。
 
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ランダム系のグッズが多いと交換は避けて通れない
3eets!での取り引きのステップは①Webアプリに無料登録②条件の合うユーザーを検索する③相手と交渉し取引成立次第、当該商品発送――とごく簡単。交換とは直接結び付かないツイートも検索結果に表示されてしまうTwitterと違い、3eets!なら効率良く条件に合致するユーザーを探せるのが特長です。また、取引相手に対する評価機能を実装予定で、信頼できるユーザーなのかが見える化されるのもポイント。交換が成立すれば互いに住所を公開することにはなるものの、取り引きが終了次第、自動でデータが消える仕組みになっているので、Twitter上での交換でありがちな「相手が個人情報を消去したかわからない」という不安感は皆無になります。同社と連携する顧問弁護士がいるというのも安心! こうして「グッズ交換における不便」をすべて解消した3eets!は、まさに長島社長自身がオタクだからこそ制作できたプラットフォームなのです。

ちなみに3eets!は現在、アプリの最終調整中で、まもなく正式リリースされるとのこと。ゆくゆくは交換だけでなくオタク同士が自作の推し活アイテムを販売したり、コミュニケーションを取れたりする機能も設ける予定だそう。
 
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さまざまな機能を搭載予定
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取引手順に煩雑な作業を伴わないため使いやすい
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SNSやフリマアプリでの取り引きと比べると、多くのメリットがある
 
 

災い転じて起業をなす

 
「不便を感じるたびにスムーズにできる方法はないか考え、自らそれを解決できるツールをつくってきた」という長島社長。独立前に所属していた会社では既存の資料をアレンジして使いやすくするなど、「あれこれ試行錯誤しながら利便性を向上できるものを創作するのが楽しかった」。自在にモノを“つくり上げる”楽しさを見出していた長島社長には、以前から“会社をつくってみたい”という思いがあったといいます。
 
ただ、オタク向け事業を起こす考えは毛頭なく、起業を見据えさまざまな副業に手を出してみるも、どれも続きませんでした。「もう何もできないのでは」と諦めかけていたとき、推し活を通じてグッズ交換の壁にぶち当たったといいます。「“災い転じて福となす”じゃないですけど、これで何かできるかもとインスピレーションが湧き上がって。半ば勢いでグッズ取り引きをスムーズにするために、起業を決めました(笑)」。ちなみに長島社長にはWebやITに関するノウハウはまったくありませんでしたが、それは起業後にも学べると、不安はなかったそう。むしろ多くの人を惹き付ける企業コンセプトを決めるのに悩んだといいます。
 
会社の方向性を模索していた長島社長の追い風となったのが、株式会社ひろろとの出会い。自社で働く従業員のために、「推し休暇」など多様なオタク向け福利厚生制度を充実させている株式会社ひろろに感銘を受け、「私も『オタクのため』をコンセプトにしようと決意しました」。こうして昨年2021年春、ラジモララ株式会社を設立。社名は推しのBTS・JIMINさんが「カルボナーラ」を聞き間違えて言い放った「ラジモララ」をアルファベット化し、そこに「Love is Joy and Makes Reason to Run」という意味を「後付けした」のだとか。
 
 

まずは動き出すことの大切さ

 
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長島社長の推しの“迷言”から生まれた社名
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企業ロゴは長島社長自らデザイン!
 
長島社長は現在、立ち上げから携わった別の企業に勤めながら資金を捻出し、3eets!の構築を進めている最中。「起業当初は趣味の延長で働けるようで幸せだったけど、いざ始めるときれいごとは言っていられなくなって(笑)。機能を搭載するほど時間もコストもかかるし、正直心が折れそうでした」。それでも諦められないのは「私自身が『あったらいいな』と感じるサービスを生み出すことで、他のオタクが少しでもハッピーになってほしい」から。そんな長島社長のもとにはオタク向け事業を手がけたいと夢見る人から、「一緒に働かせてほしい」というメッセージが続々届いているのだそう。「立ち上げ間もない弊社を見つけ出してそう言ってくれる。まさにオタク事業を手がける醍醐味だと感じました」。いずれは声をかけてくれた人たちと働けるよう、一歩ずつ進んでいきたいという長島社長。自身の経験を活かし、「好きなことで起業したい方を支援していきたい」とも。
 
平たんな道程ではなかったにもかかわらず、オタクだからこそできることがあるはずだと、投げ出さなかった長島社長。同じように、“好き”を活かした仕事をしたくても一歩踏み出せない人へ、こんなメッセージを送ってくれました。
 
「何かに挑戦するとき、失敗するのではないかという恐れが足踏みさせているのだと思います。でもやってみないと始まりません。ですから私は、やるかやらないかで躓くより、どちらを選んだとしてもその選択をして良かったと思えるよう努力することを大事にしています。選んだ道で失敗したとしても『今の自分にとっての道はここじゃなかったんだ』という気付きになりますし、踏み出したからこそ別の道が見える場合もあると思うんです。だから何もしないでいるよりも、まずは行動してみることが結果的には成長につながると思います」
 
 
(取材:2022年6月)
 
 
ラジモララ株式会社
https://lajimorara.co.jp
 
■住所
〒556-0021
大阪府大阪市浪速区幸町2-3-14 ダイトービル5F
 
オタクのオタクによるオタクのためのビジネス
vol.5 もう不安はいらない ストレスフリーな“推し事”を提案! ラジモララ株式会社
 (2022.7.13)
 
 

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