インターネットなどで調べてみると、日々数多くの舞台が上演されていることがわかります。その中には、ただお芝居をするだけでなく、一風変わった取り組みをしている舞台も・・・。人気のお芝居を見るのもいいですが、独自の取り組みで着実に評価を上げている舞台も気になりますよね。そこで今回は、アドリブで心理戦を行う舞台、「人狼 ザ・ライブプレイングシアター」をご紹介します。こちらの舞台、人気パーティーゲームである「人狼」を、毎回アドリブで行うのだそうです。2012年のプレビュー公演から2ヶ月ごとに公演を続け、現在では立ち見する観客が出るほどの人気となっています。
人狼 ザ・ライブプレイングシアターでは、13名の役者がとある村の住人として登場します。そしてその中に隠れている、人間になりすました3匹の「人狼」という嘘つきを、会話の中から見つけ出すのです。
出演者は毎回、上演の直前にカードを引いて、自分の役割を決定します。つまり、誰が人狼で、どのような結果になるかは、出演者すらわからないとのこと! 一体どのような舞台なのか、プロデューサーの桜庭未那さんと、出演者の松崎史也さん、横山可奈子さんにお話をうかがいました。
わずか4日でそこまで人気が出るなんて! そのためには、やはり入念な稽古をされていたのでしょう。しかし、アドリブだと舞台上で何が起こるかわかりませんよね。出演される中でどんなことに難しさを感じますか?
松崎 「台本がないと、どのように舞台を終わらせるかも出演者次第になります。ゲームの決着がついたら終わりではなくて、そこから今後を連想させるセリフを言うなど、よりお客様を楽しませるエンディングにしないといけないんです。今できる中で一番楽しんでもらうにはどうしたらいいだろうと、最後まで気が抜けないですよ」
命がけの推理戦を演じた後に、間髪いれずエンディングまで考えなきゃいけないんですね・・・! でも、アドリブだからこそ失敗することもありそうです。
横山 「ありますね。最初に13人全員が自己紹介をしながら、自分は人狼ではないとアピールする場面があります。私は修道女の役をやっているので、『私は人狼ではないと神に誓います』や、『私は人間だと神に誓います』など、いくつかパターンをつくっているんです。でも、あるとき頭の中でごちゃごちゃになって、『私は神です』と言ってしまったことがあるんですよ(笑)。舞台上で『間違いました』とは言うわけにはいかないので、その公演はそのまま神として演じきりました」
「今をおいて他にない、たった一度の物語」のコンセプト通り、同じ結果の公演は1つとしてない人狼 ザ・ライブプレイングシアター。最後に松崎さんからメッセージをもらいました。「人狼ゲームが好きな人も、やったことがない人もワクワクできるし、演劇が好きな人も、これまでに観劇したことがない人も楽しめる内容になっています。だって、何かの勝負を見るって、それだけで楽しいじゃないですか。そういう意味では、この舞台は“役者のスポーツ”だと思っています。勝負の駆け引きを楽しむのもいいし、キャストのキャラクターを楽しむのもいい。お客様それぞれが自分だけの楽しみ方を見つけられる、誰にでもおすすめできる舞台です」とのこと! 自分流の楽しみを見つけるのも素敵ですね。
人狼TLPT最新公演は、ただいま絶賛公演中。人狼ゲームに興味のある方、勝負事が好きな方、少し変わった舞台が観てみたいと思った方は、ぜひ劇場まで足を運んでみてください。
舞台情報
「人狼TLPT SUMMER RUSH! 2016」7月20日(水)~31日(日)於:新宿村LIVE
取材協力
人狼 ザ・ライブプレイングシアター
http://7th-castle.com/jinrou
チケット情報
https://eplus.jp/ath/word/71331
人狼 ザ・ライブプレイングシアターでは、13名の役者がとある村の住人として登場します。そしてその中に隠れている、人間になりすました3匹の「人狼」という嘘つきを、会話の中から見つけ出すのです。
出演者は毎回、上演の直前にカードを引いて、自分の役割を決定します。つまり、誰が人狼で、どのような結果になるかは、出演者すらわからないとのこと! 一体どのような舞台なのか、プロデューサーの桜庭未那さんと、出演者の松崎史也さん、横山可奈子さんにお話をうかがいました。
命をのせることによってドラマが生まれる
推理ものの舞台をアドリブで行うというのは、とても難しいだろうと想像がつきます。一体、どのようにしてこのアイデアが生まれたのでしょう?
桜庭 「私自身、もともと人狼ゲームが大好きだったんです。このゲームでは、人狼が誰なのかを多数決で決めます。そして人狼だと判断された人は、たとえ人狼じゃなくても処刑されるルールなんです。ゲームをしている中では、この処刑に対して何の感情もなく、命はとても軽いものでした。でも、これを舞台にしてきちんと命をのせたら、きっと無限にドラマが生まれると思ったんです。そのためには、台本で内容をつくり込むよりも、アドリブの必要があると感じました」
なるほど、ゲーム性だけでなく、人間味も大切にされているわけですね。しかし、最初はいろいろとご苦労もあったことでしょう。どのようにして観客を集めていったのですか?
桜庭 「最初の公演は、キャストのみんながSNSで呼びかけたり、友人を呼んだりといった、それぞれができる範囲での告知のみでした。当時公演していたのは100人規模の劇場だったのですが、初日に観に来てくれた方は30人もいなかったですね。でも、翌日からだんだんとリピーターが増えて、3日目には満席に。4日目には席が足らず、お帰りいただくお客様も出るほどでした」
桜庭 「私自身、もともと人狼ゲームが大好きだったんです。このゲームでは、人狼が誰なのかを多数決で決めます。そして人狼だと判断された人は、たとえ人狼じゃなくても処刑されるルールなんです。ゲームをしている中では、この処刑に対して何の感情もなく、命はとても軽いものでした。でも、これを舞台にしてきちんと命をのせたら、きっと無限にドラマが生まれると思ったんです。そのためには、台本で内容をつくり込むよりも、アドリブの必要があると感じました」
なるほど、ゲーム性だけでなく、人間味も大切にされているわけですね。しかし、最初はいろいろとご苦労もあったことでしょう。どのようにして観客を集めていったのですか?
桜庭 「最初の公演は、キャストのみんながSNSで呼びかけたり、友人を呼んだりといった、それぞれができる範囲での告知のみでした。当時公演していたのは100人規模の劇場だったのですが、初日に観に来てくれた方は30人もいなかったですね。でも、翌日からだんだんとリピーターが増えて、3日目には満席に。4日目には席が足らず、お帰りいただくお客様も出るほどでした」
アドリブ劇だからこその難しさと楽しさ
松崎 「台本がないと、どのように舞台を終わらせるかも出演者次第になります。ゲームの決着がついたら終わりではなくて、そこから今後を連想させるセリフを言うなど、よりお客様を楽しませるエンディングにしないといけないんです。今できる中で一番楽しんでもらうにはどうしたらいいだろうと、最後まで気が抜けないですよ」
命がけの推理戦を演じた後に、間髪いれずエンディングまで考えなきゃいけないんですね・・・! でも、アドリブだからこそ失敗することもありそうです。
横山 「ありますね。最初に13人全員が自己紹介をしながら、自分は人狼ではないとアピールする場面があります。私は修道女の役をやっているので、『私は人狼ではないと神に誓います』や、『私は人間だと神に誓います』など、いくつかパターンをつくっているんです。でも、あるとき頭の中でごちゃごちゃになって、『私は神です』と言ってしまったことがあるんですよ(笑)。舞台上で『間違いました』とは言うわけにはいかないので、その公演はそのまま神として演じきりました」
誰にでもおすすめできる舞台
人狼TLPT最新公演は、ただいま絶賛公演中。人狼ゲームに興味のある方、勝負事が好きな方、少し変わった舞台が観てみたいと思った方は、ぜひ劇場まで足を運んでみてください。
舞台情報
「人狼TLPT SUMMER RUSH! 2016」7月20日(水)~31日(日)於:新宿村LIVE
(2016.7.22)
取材協力
人狼 ザ・ライブプレイングシアター
http://7th-castle.com/jinrou
チケット情報
https://eplus.jp/ath/word/71331