特に目を引いたのは、「【推し活】お名前キーリング」。2023年の夏頃に販売され、一番のヒット商品なのだそう。好きな色のキーリングとアルファベットパーツで、オリジナルキーリングを作成してくれます。カラーバリエーションは、なんと10色以上！　推しの担当カラーやイメージカラー、いわゆる“推し色”を取り入れることができます。
そして、現在人気急上昇中の商品は、「【推し活】推し好き守りキーホルダー」。推し活層8万人へアンケートを実施し、リアルなユーザーの声で誕生しました。内容は当選・良席、自引き運、推しと縁結び、推し健康安全、推し生存、推し笑顔、不祥事回避の全7種類。SNSでの口コミをきっかけに、推し活が楽しくなるアイテムとして反響が広がっていったそうです。海外の推し活勢も購入する人気商品となっています。
 
「 “推し活”を流行では終わらせたくない。推し活が生活の一部になってほしい」そんな思いのもと、日々この仕事に向き合っている同社。Oshicocoが生み出すグッズには、大好きな人をアピールすることや、応援することの楽しさが込められていました。

中には、推し活とは深く関わりのない一般企業が推し活マーケティングを導入した例もあります。レディースファッションバッグを販売する有限会社グレイスは、オリジナルブランドの「REA RARE（リアレア）」から痛バッグを展開。コロナ禍で痛バを開発・販売したところ、ヒットしたそうです。
 
痛バッグ（通称：痛バ）とは、キャラクターやアイドルの缶バッジやキーホルダーをたくさん飾り付けたバッグのこと。痛バと言えば、缶バッジを飾るビニール面を隠すことができない商品も多いです。しかし、REA RAREの痛バはビニール面をサイドファスナーで脱着回転させ、隠すことが可能。従来のレディースバッグのノウハウを活かしたシンプルなデザインで、Z世代より上の層にウケてヒットしました。「会社にも持って行きやすく、仕事帰りに推し活できる！」「普段使いしやすい」といった喜びの声が上がっていると言います。推し活をしている人の世代もさまざま。社会人オタクのニーズに合ったマーケティングが、ヒット商品誕生につながっていました。

他にも、キャラクターをイメージした香水を開発・販売している企業やクリアファイル、うちわといった印刷物のOEM商品を製造する企業など、推し活に関するマーケティングを取り入れた企業が多数出展。さまざまな切り口から推し活市場へ参入していることがわかりました。
 
次元を超えて、人生を共にできるくらい愛している人を、熱い気持ちで応援できるのは素晴らしいこと。“好き”を表現することは、自分を表現することにもつながるとも言えるでしょう。“オタク”という一言で片付けられないくらい今熱い市場、推し活。今後は、海外需要が高まると見込まれているようです。実際にSNSの投稿を見て、日本のイベントに足を運ぶ外国人もいるとか。日本のカルチャーを愛する外国人は多く、観光客も増加傾向にあります。今後も市場規模の拡大が予想される推し活市場。国内のみならず、全世界に注目される日本の文化として“推し活”が存在することは間違いないでしょう。 “推し”を見つけ、ファンになることで、新しい世界が見えるかも。どこまでも奥が深い推し活マーケティングの未来に注目してみてください。