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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

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髙田道場での活動がベースにあったとはいえ、2006年、全国でDKCのイベントを展開することになった当初は、どのように人を集め、どうやって教室を開けばいいのかわからず、試行錯誤が続いたという。
 
 

怪我をせず満足感と達成感が味わえる内容に

 
 イベントには親御さんが子どもを誘って連れてくるので、まずはイベントの趣旨を親に理解してもらわなければならない。DKCは、アマチュアレスリングの要素を取り入れたプログラムなので、当然身体をぶつけ合うし、「取っ組み合いみたいで怖い」と思う親もいるんですね。しかも、プロレスラーだった僕が主宰しているわけだから、「バックドロップやブレーンバスターやら、プロレスを教えられるのか」という誤解もある(笑)。参加した子どもたちが怪我をせずに達成感と満足感を味わい「思いきり身体を動かすのは、最高に気持ちが良い」と感じてもらえるように、プログラムの内容は常に細かくチェックしています。
 
 具体的には、ルールも何も知らない未経験の子どもたち同士がぶつかり合うようなシーンはありません。子どもたちが全力で懐に飛び込んでも大丈夫なように、必ず大人の、しかもレスリング経験者が相手をする。そしてポイントは、順番待ちの時間を少なく抑えることです。延々と説明が続いたり、長く順番が来るのを待っていたりするのは大人でも飽きるでしょう? これは不可能に近いことなんですけど、イベント中はずっと身体を動かしている状態を理想として効率的なメニューを組み、常に50人程度のボランティアスタッフで子どもたちをバックアップ、フォローしています。
 
 
イベントに参加する子どもにレスリング経験者はほとんどおらず、ほぼ全員が未経験者。そんな子どもたちがイベント終了後、「もう終わり?」「もっとやりたかった」と言ってくれることが、髙田さんをはじめとするスタッフの原動力になっているようだ。
 
 

活動の意味が子どもたちには伝わっている

 
 開始時の挨拶と、終了時の挨拶で、子どもたちの目の輝きが全く違うんです。最初は怖がっていたり、「何をやるんだろう?」と不安げに警戒していたりするんですけど、最後はみんなが満足感いっぱいの充実した顔をしている。特に5~6年生の高学年の子は、「恥ずかしい」と人目を気にしだす時期。そういう子どもたちも、わき目も振らず、目の前の時間に集中してくれるんです。
 
 そんな子どもたちの姿を見た時、「やっぱり人間は身体を動かすことによる高揚感のようなものを生物的、本能的に欲している生き物なんだなぁ」と思いますね。DKCでは女の子もすごい。女の子は高学年にもなると他人と身体をコンタクトすることにも抵抗が出てくる。ところが、集中のスイッチが入ると大変なんです。相手をしているこちらが、いつの間にか子どもたちの勢いにグイっと引っ張り込まれている。本当に子どもオリジナルの、疲れを知らないスーパーエネルギーを見せてくれます。
 
 普段運動をしない子たちでも、楽しそうに大人たちにぶつかっていく光景を目の当りにすると「我々のやっていることは間違いがないし、伝えたいことが確実に子どもたちに届いている」と確信します。言葉ではなかなか上手く表現できませんが、イベントを通じて子どもたちの将来に役立つものが何か、印として刻まれたことを表情から見て取れるんです。子どもたちの溌剌とした表情が、「このイベントはまだまだ続けていかないと」という我々のモチベーションにつながってゆく。これからも全国各地を巡るので、ぜひ親子一緒に参加していただきたいですね。
 
 
 

(インタビュー・文 佐藤学 /写真 Nori/スタイリスト 水口卓磨/ヘアメイク 青田真由美)

 
 
 
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髙田延彦(たかだ のぶひこ)
1962年4月生まれ。神奈川県横浜市出身
 

1980年に新日本プロレスに入門。数団体を経てUWFインターナショナルを旗揚げする。ボクシングヘビー級の元王者、トレバー・バービックとの異種格闘技戦や元横綱、北尾光司との対戦などで人気を博した。

その後、総合格闘技PRIDEに活躍の場を広げ、ヒクソン・グレイシーとの2度にわたる戦いの他、名だたる強豪選手と名勝負を繰り広げた。

2002年の引退後はタレントとして活躍するいっぽう、髙田道場の代表としても活動。2006年からDKCを主宰し、全国各地の子どもに身体を動かす楽しさを伝えるべく、アマチュアレスリングを取り入れた体操教室を展開している。

 
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 (取材:2015年7月)
 
 
 
 

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