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◆手書きの文字から生まれる新しいアイデア

 
ひとりに一台パソコンがあり、キーボードを叩きながら仕事をするのが当たり前の時代。文字を 「書く」 という作業は、いつしか 「打つ」 という作業に変わりつつあります。手書きの文字から伝わる温かみを仕事の現場で感じることは少なくなりました。しかし、企画を考える際、未だにペンを用いることが多いのも事実です。パソコンと向き合ってもアイデアが浮かばず、キーボードを叩くリズムも止まってしまいなかなか先に進めない。そんなときにペンを使って紙に書いてみると指先がアイデアを与えてくれるように書き進んでしまうことは誰しもあるはずです。「書く」という作業には、直感的なアイデアをそのまま文字にできる効果があるのかもしれません。そこで、今までにないアイデアを考えるなら書き留めるペンにまでこだわってみるのもいいのでは。京都市左京区にある 『ガラス工房 焱』 で販売されている 「ガラスペン」 は、硬質ガラスを使った一つひとつ手づくりのペン。丈夫で長持ち、デザイン性も良く、なめらかな書き心地です。
 
 
 
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◆日本でただひとりの硬質ガラス加工職人

 
明治の頃に日本で開発されたガラスペン。ペン先に刻まれた溝から毛細管現象を利用してインクを吸い上げていく仕組みです。文字の太さは、ペンの角度やインクの量によって自由自在。装飾品のようなデザイン性も加えたガラスペンは、当時またたく間に世界中に広まっていきました。しかしボールペンの普及により徐々に衰退していきます。そこで硬質ガラス加工職人の菅清風(かんせいふう) さんは、昔懐かしいガラスペンを復刻するべくあえて扱いの難しい硬質ガラスを使用し、従来のガラスペンより丈夫で万年筆に劣らないなめらかな書き味を実現しました。ペン先から軸まで硬質ガラスでつくっているのは、日本でただひとり。約1200度に熱せられたガスバーナーに、ガラスの棒を溶かして美しい波模様を描きます。硬質ガラスにこだわる理由を 「人がやっていない、やりにくいものに挑戦してこそ新たな価値が生まれる」 と語る菅さん。89歳を迎えた今も、まだまだ現役です。つくるペンは、年齢を重ねてもキラキラと輝き続けています。
 
 
 
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◆届けたい平和への想い

 
菅さんがつくるガラスペンは、硬質ガラスへの熱意だけでなく平和への願いも込められています。それは自身が体験した辛い戦争体験によるもの。第2次世界大戦中、海軍322空航空隊に所属していた菅さんは、空襲に遭い3指を欠損しました。そして戦後、ガラス用金型をつくっていたことがきっかけでガラスの魅力に引き込まれていったとのこと。それから硬質ガラス加工職人として約60年。現在は、平和な世界を待ち望むだけでなく、平和活動に携わる人達に激励の意味を込めて自らつくったガラスペンを送っています。これまでに、ノーベル平和賞を受賞したオバマ大統領や小泉純一郎元首相などに寄贈。文具としてのガラスペンだけでなく、平和への想いを届けるためのガラスペンとして、新たな活動を行っています。
 
 
 
  ガラス工房 焱
  京都市左京区北白川東伊織町26-2
 
 

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