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ビジネス 佐藤勝人の「儲けてみっぺ」 vol.2 4マス図とビッグデータ 佐藤勝人の「儲けてみっぺ」 経営コンサルタント/サトーカメラ代表取締役専務

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勝人流コンサルティングの出発点「4マス図」

 
皆さんこんにちは。佐藤勝人です。先月始まった連載の第2回目です。今回は時事の話に入る前に、私が自分の実践コンサルティングの出発点にしている、戦後の日本経済の通史的な分析の話から始めさせてください。
まず、下の4マス図を。
     ↓
20150603cl_47ex001.jpg
右上から始まって下、左上、その下、と移るこの流れ、何を示していると思います? 答えは「いろいろ」(笑)。いやホント、いろいろこれに当てはまるのよ。
 
1つは、我々が事業を始めてから順に発展させていく時のステージの移り変わりを示せます。誰だって最初は御用聞きから始めるでしょ? お客さんのところに行って、「何か欲しい品物ありませんか。用立てますから何でも言ってください」って。それでお求めに一所懸命応えていくうちに、自分のできることが増える。段々自分たちの品揃えが多くなって、「あれも用立てられる。これも提供できる」ってなってくると、商品や商材を増やすよりも、お客さんのお悩みの相談に乗る問題解決型の動きのほうが多くなる。それでいろんなケースを経験した頃に、お客さんが気付いていない課題が見えるようになって、「ここ困ってません? いいアイデアありますよ」って、課題解決型の提案ができるようになる。
 
もう1つ、こっちが「通史的な分析」のほうなんだけど、戦後日本の経済がどのタイプで発展してきたかを示してます。前回の連載の最後で「日本は製造業の発想から抜け出せてない」って話したでしょ。どういう意味かっていうと、私の持論では、日本はまだほとんどの業界が〈商品品揃え型〉の段階なんだよね。品揃えを増やして売ろうとしてる。良くっても〈問題解決型〉。相談を受けてから売ろうとしてる。
 
でも、これもまだ製造業の発想です。だって、製造業の儲け方の究極は「必要なものを、必要な分だけつくる」だよ。マスプロダクツは全部そう。要は在庫管理と効率化。ただね、相談を受けて応えるだけしていれば、確かに無駄は出さずに済むけど、それは“攻め”じゃないよね。製造業の発想だって言ったのはそういうこと。
 
 
ちなみに、上の図に要素を書き足すとこうなります。
     ↓
20150603cl_47ex002.jpg
組織における人的資源の成長と配分図に早変わり。最初、入社したての頃はみんなワーカーです。仕事に熟練して人に教えられるようになったのがインストラクターで、そこから管理職=マネージャーになり、経営者的になる人は全体の2%。計算で足りない10%は、ワーカーからインストラクターにではなく、プロ中のプロ、トップ10%を目指すスペシャリストの人たちですね。こういう人たちは会社を出るか、社内に残ってもヒエラルキーからは外れるから、マスの中に入らないわけ。
 
ね? いろいろなことに当てはまるでしょ。中小企業が人材育成で失敗するのは外部から人を採用していきなりインストラクター職やマネージャー職につけたがるせい・・・という話が続くけど、それはまた別の機会に(笑)。
 
 

「ビッグデータ」について

 
さてでは時事ネタ。今回は「ビッグデータ」について。
今あちこちで言われてるビッグデータ、おもしろそうですよねえ。これ使って一番恩恵あるのは商業者だと思いますよ。それも中小の。
 
我々、今まで、物を売る時はPOSシステムのデータを使っていたんです。「いつ・何が・どこで・いくつ・いくらで売れた」っていう売上情報が集められるのがPOSシステム。会員カードと組み合わせて「誰が(どんな人が)」買ったかわかるものもある。店舗はそれを受発注管理に使ったし、サプライヤは在庫管理に使った。マーケティング戦略なんかもPOSを元にしたものは多い。
 
でもね、POSには「売れなかった」っていう情報がないのよ。商品を10個出して10個売れたら「完売」ってデータが残るだけ。そこからは、「来年は12個出してみよう(つくってみよう)」って話は出ても、「もしかして100個出してたら100個売れたんじゃね?」って発想は出てこないんだよね。何かいい着眼を見つけて10からいきなり100を狙う展開にはならない。やり様によっちゃ狙えるかもしれないのにだよ!? 商いにおいて、そこに気付けないのは致命的だ! 怖いことだよ。ホント怖い。
 
私が「現場は人だ」って常に言ってるのは、現場の人は10個がどう売れたかも、逆にどう売れなかったかも見ているからです。商業者は「どう売れなかったか」の情報が欲しいんだよ。
 
ざっくり言って、今、国内に約1億アイテムの商品が出ている。消費者の目に触れているのはせいぜい100万アイテムです。POSのおかげで、どこに行っても“売れ筋”の1%の商品を売り争う国になっちゃったのだ。では、残り99%は粗悪品なの? それは違うよね。昔はそうだったかも知れないが、今は日本の中小の製造業のレベルもぐんと上がったから。
 
ビッグデータはこの“売られることのなかった”99%のアイテムに、日の目を見させるようにするかもしれないね。それも中小企業発でね。だってさ、大手の仕入れ規模の大きさのメリットが相対的に薄れるし、大手は1万個売らなきゃ成功と言えないけど、中小は100個売れたら成功、1000個売れたら大成功ですよ。銀行だって、仮説にじゃなく、「この商品はこのターゲットに向けてならこれだけ売れる」というビッグデータを駆使した算出になら、融資しやすくなるからね。
 
いろんな中小企業が、いろんなおもしろいアイテムを扱うようになったら・・・おもしろいと思うよ。サトーカメラも試しにアプローチ変えてみっかな(笑)。「カメラが欲しい人」じゃなくて「〇〇で遊んでる人」みたいなくくりでターゲティングしてみるとかね。
 
 
世の中はどんどん変わります。それにあわせて、売り方や客層やエリアはどんどん変えていかないとな。餅屋は餅屋だから、たとえ売る商品は変わらなかったとしてもね。
攻めて、攻めて、遠慮しないで儲けてみっぺ!
 
 
 
 
佐藤勝人の 儲けてみっぺ
vol.2 4マス図とビッグデータ 

 著者プロフィール  

佐藤 勝人 Katsuhito Sato

サトーカメラ株式会社・代表取締役専務/佐藤商貿(上海)有限公司・総経理/日本販売促進研究所・経営コンサルタント/作新学院大学・客員教授

 経 歴  

1964年栃木県宇都宮市生まれ。1988年、兄弟とともに家業のカメラ店をカメラ専門チェーン店に業態転換させ、商圏をあえて栃木県内に絞ることにより、大手に負けない経営の差別化を図った。以来、「想い出をキレイに一生残すために」というコンセプトを追求し続けて県内に18店舗を展開。同時におちこぼれ社員たちを再生させる手腕にも評価が高まり、全国から経営者や幹部リーダーたちが同社を視察に訪れている。2015年からはキャノン中国とコンサルティング契約を結び、現場の人材育成の指導にあたる。主な著書に『売れない時代はチラシで売れ』『エキサイティングに売れ』(以上同文館出版)『日本でいちばん楽しそうな社員たち』(アスコム)『一点集中で中小店は必ず勝てる』(商業界)など。

 オフィシャルサイト 

http://satokatsuhito.com/

 オフィシャルフェイスブック 

https://www.facebook.com/katsuhito.sato.3?fref=ts

 サトーカメラオフィシャルサイト 

http://satocame.com/

 
(2015.6.3)
 
 
 
 

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