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ビジネス 佐藤勝人の「儲けてみっぺ」 vol.1 買い物とは何ぞや? 佐藤勝人の「儲けてみっぺ」 経営コンサルタント/サトーカメラ代表取締役専務

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皆さんこんにちは。佐藤勝人です。栃木で「サトーカメラ」というカメラ専門店チェーンを18店舗展開しています。そのかたわら自らの休みを返上して経営コンサルタントの2足のわらじを履いています。去年からサトーカメラ海外FC事業で中国にも進出しました。今年はキヤノン中国と業務提携して、販売戦略や人材育成で中国の特約店にあらゆる角度から影響を与える役目をいただきました。キヤノングループ世界総売り上げの約25%を占めるキヤノン中国、そこでの大役指名に腕が鳴ります。
 
そのような実績を見てB-plusさんが私のセミナーを開催してくれたご縁で、このたびコラムを連載させていただくことになりました。タイトルの『儲けてみっぺ』とは栃木弁で「儲けてみましょうよ」みたいなニュアンスかな。皆さん、せっかくいい技術やサービスや商品を持っていらっしゃるんだから、もっと儲けましょうよ。儲けて欲しいんですよ。
 
そんなわけで、この連載ではできるだけ皆さんのヒントになりそうな世の中のネタを拾って、“佐藤勝人流”に一刀両断していきたいと思います。どうぞヨロシク。
 
 

「爆買い」について

 
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公開コンサルティングセミナー「勝人塾」にて(2015/4/8)
さて最初は、「爆買い」から。
2月後半、来てましたね、春節休暇の中国人が。たっくさん(笑)。そして、予想通りの買いっぷりでした。サトーカメラは中国に進出してから大陸の人たちの買い方を肌で知っています。なんといっても、国の人口が13億人。うち、年収600万円以上が8億いるんだから。実際は個人じゃなく世帯の年収だろうから8億“人”はいないにしても、2~3億人はいるはず。現地の物価は日本の約3分の1なので、つまり日本に年収1800万円の人が2~3億人暮らしてる感覚です。いやもう、とんでもない購買力ですよ。
 
中国はあと10年、いや20年はこのような状態が続くと思います。インフラも整い所得水準が上がって人件費が上がったから、日本の製造業者さんはもう中国からベトナムやカンボジアやミャンマーあたりに流れ始めていますよね。代わりに出番が来たのが、我々のような日本の商人です。この流れに乗らない手はありません。

 

皆さんの中にも小売業やサービス業さんも多いと思います。でも、もしかして皆さん、買い物袋を抱えて銀座を歩く中国人を見て、「すごいな~」で済ませませんでした? あるいは、バブルの頃の日本人も同じことをニューヨークでやったのを思い出して笑ったり。
 
それじゃダメ。まず気付くべきは、バブル期の日本人の買い物と今の中国人の買い物の違いです。我々はバブル期にニューヨークに行って何買いました? ブランド品やら絵画やら不動産やらでしたよね。それと違って生活品も買ってるのが彼らです。化粧品、生活雑貨、家電・・・。炊飯器なんかすごい人気ですよ。中国は人口が多いから市場が大きいとよく言われるけど、一人ひとりが欲しがる品目が幅広いという意味でも市場が大きいんだね。これが1つ。
 
それともう1つ、彼らが「来た」ということの意味に気付くべきなんだよね。彼らはなんで日本に来たか? そりゃ観光も兼ねてるけど、つまり、中国には生活品の信頼できるサプライヤーがいないのよ。それに比べて日本製品はどれも品質がいい。憧れる。外れがないのも知ってる。だから欲しい。けど中国に出回ってないから、わざわざ買いに来る。物によっては1.3倍も関税がかかるのにだよ? そんな消費者がわんさかいる市場を、このまま放っとくのかって話よ。こっちからどんどん出て行って、さあ儲けてみっぺ!
 
 

「地産地消」について

 
「地産地消」も近頃のトピックです。地方活性化の話が出る時はたいていセットになってます。
・・・でもね、私はずーっと前から「地産地消が一番儲かんないよ?」って言ってます。食べものなんか特にそう。だって、地元の人は地元のものをお金出して買わないもの。少なくとも、お金を払ってまで食べないもの。和歌山の人に言わせればミカンなんて買うものじゃない、近所からもらうものだもの。私に言わせりゃ、「そんなに地産地消したいなら、自分らも地場のものに対価を払って買え」って(笑)。対価を払わないから、商人は遠くに持って行って高く買ってくれるところに少しでも高く買ってもらうんですよ。
 
ちなみに、地産地消が儲からないのはどこの国も同じです。なぜか? 人間は近くのものよりも遠くのものに憧れるから。
 
要は「買う」という行為の本質に関わるわけよ。私がセミナーや講演でいつも言うのは、「買い物はお客さんが自由を謳歌する瞬間です」ということです。買い物って、すごく自由な行為でしょ。どれにどれだけお金を使うかは完全に自分の権利だものね。だからそれは“遠くにあるもの”や“遠くから来た手に入りにくいもの”に目が向くのはある意味当たり前で、消費者にとって買い物は、そういった憧れを満たす行為なんだよね。だったら、我々はいかにそれに応えるかを考えないと。それが正当に儲ける道だよね。
 
 

地元志向とマイルドヤンキー

 
地産地消について話したついでに、ちょっとそれるけど「地元志向」のことも。
地域社員って制度があるでしょう。最初わかんなかったのよ。地元に残りたがる人の気持ちが。私らの世代はむしろ、みんな外に出たがりましたよね。優秀なやつほど外に出ようとしたし、また地元の人間も外に出しましたよね。「田舎にいてどうすんだ! 外を見て来い!  世界を見て来い!」ってね(笑)。
 
それが、先日地元の教育委員会の教育長と話していて気付いたんだけど、彼らがそうなる理由がわかりました。うん、ホント、よーくわかった(笑)。教育がそうさせているの。今の子どもたちに社会貢献を教える時に、高齢者介護のことを必ず言うんです。「ほら、みんなのおじいちゃん、かわいそうでしょ? おばあちゃん、かわいそうでしょ? 地元ってあったかいでしょ? だから一緒に居ようね」って。
 
そりゃ、高齢者は大事にしてあげるべきだよ。尊敬もするよ。頑張って今の日本をつくってくれたのは彼らだからね。でもそれで本音をごまかしちゃイカンでしょ。
 
本音は「町が消えるのがイヤだ」ってことなんです。昔みたいに子どもがどんどん生まれる時代じゃないから、若者が出ていったら町が立ち行かなくなる。町にいる自分たちの生活が成り立たなくなる。それだと困るから、介護や社会貢献を前面に出して、若者を地元に縛り付けたいんだよね。なんでマイルドヤンキーみたいなのが出てくるのかって不思議だったけど、そういうことなんだよね。
 
ただ、それでは地元は発展はないよ。私は若者が「地元サイコー!!」「地元LOVE」なんて地元しか知らない人間が言ってる風潮こそがヤバイと思ってます。やっぱり、外の世界へ打って出る気持ちとか、反骨心は大事ですよ。それがあるから「今より良くしよう。もっと良くしよう」って思うんだから。私は仕事でアメリカを回り、アジアを回り、日本全国津々浦々まで毎日のように回っているけど、今、地元栃木に住んでるのは、栃木をもっと発展させたいからだよ。だからこんなケチなド田舎嫌いだバカヤローって、地元では悪口ばっかり言ってるもんな(笑)。
 
 
こうやってあらためて話してくると、日本はまだ製造業の発想から抜け出せていないんだなと思います。戦後、製造業から発展した国だからそれはそうなんだろうけど、今後は意識して変わっていかないとな。この連載では、イチ商人として、そんな問題意識も追いかけていきます。来月もよろしく。
 
 
 
 
佐藤勝人の 儲けてみっぺ
vol.1 買い物とは何ぞや? 

 著者プロフィール  

佐藤 勝人 Katsuhito Sato

サトーカメラ株式会社・代表取締役専務/佐藤商貿(上海)有限公司・総経理/日本販売促進研究所・経営コンサルタント/作新学院大学・客員教授

 経 歴  

1964年栃木県宇都宮市生まれ。1988年、兄弟とともに家業のカメラ店をカメラ専門チェーン店に業態転換させ、商圏をあえて栃木県内に絞ることにより、大手に負けない経営の差別化を図った。以来、「想い出をキレイに一生残すために」というコンセプトを追求し続けて県内に18店舗を展開。同時におちこぼれ社員たちを再生させる手腕にも評価が高まり、全国から経営者や幹部リーダーたちが同社を視察に訪れている。2015年からはキャノン中国とコンサルティング契約を結び、現場の人材育成の指導にあたる。主な著書に『売れない時代はチラシで売れ』『エキサイティングに売れ』(以上同文館出版)『日本でいちばん楽しそうな社員たち』(アスコム)『一点集中で中小店は必ず勝てる』(商業界)など。

 オフィシャルサイト 

http://satokatsuhito.com/

 オフィシャルフェイスブック 

https://www.facebook.com/katsuhito.sato.3?fref=ts

 サトーカメラオフィシャルサイト 

http://satocame.com/

 
(2015.5.6)
 
 
 
 

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