やるべきことを好きになれば
毎日の仕事が楽しくなる
15歳でモデルとしての活動をスタートし、パリ・コレクションやNYコレクションなどさまざまなファッションイベントで活躍しているアン ミカさん。現在は多くのテレビ番組に出演し、お茶の間での人気も獲得している。歯切れの良い発言で、強気なイメージのあるアン ミカさんだが、撮影・インタビューでは常に笑顔で優しい雰囲気を纏っていた。「毎日仕事が楽しみで眠れない」と語るアン ミカさんの言葉から、仕事を楽しむ秘訣を探った。
求められている場で自身の役割を果たす
若い頃は、なりたい自分に近づけるよう懸命に努力していました。憧れの人や、やりたい仕事に向かっての努力です。でも、年齢を重ねるにつれてその価値観は変わってきましたね。今は、求めていただいている場所でしっかりと自分の役割を果たしたいと考えています。一緒に仕事をしている方や、テレビを観てくださっている方に喜んでいただくことで、自分の居場所ができるような気がするんです。
例えば、私が「モデルの仕事しかやりたくない」「モデルがテレビで喋るなんて嫌だ」と言ってしまったら、自分の枠を狭めてしまいます。寄り道をしながら生きている感覚ですね。お声をかけてもらったことで、意図しない寄り道が生まれ、その結果多くの方に喜んでいただける。それって幸せなことだと思うんです。
モデルとして仕事を始めた当初は、まさか自分がテレビで喋ったり、歌を歌ったりするとは思いもよりませんでした。仕事の幅が広がったと感じています。若い頃であれば、仕事に対して頑固で、こだわりを持っていたので今のような仕事はできなかったかもしれません。でも今は、私がその仕事をすることで喜んでくれる人がいるなら挑戦したいと思っているんです。
周囲の方々に「ありがとう」と言っていただくことで、私も自分の仕事を好きになれます。どれだけ自分が好きな仕事に取り組んでいても、そのことを誰も喜んでくれなければただの自己満足です。自分が好きであることに加えて、誰かに喜んでもらえる。それが仕事なのではないでしょうか。
私は、『ピーター・パン』の作者、ジェームス・マシュー・バリー氏の残した「幸福の秘訣は、自分がやりたいことをするのではなく、自分がやるべきことを好きになることだ」という言葉を大切にしています。求めていただいた仕事で自分の役割をきっちりと果たし、みなさんが喜んでくださる。その結果、私も自分の仕事が好きになれます。これが天職なんじゃないかなと思いますね。