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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

 
昨年11月に、16年ぶりとなる写真集『Just as a flower』を発売した長谷川さん。撮影の中では、自分の中でテーマを決めていたと言う。
 
 

軽やかに、自由に女性らしく生きる

 
結婚・出産を経験して、“女性”よりも“母親”という意識が強くなっていた時期もあったんです。でも、40歳を過ぎて、自分の中での女性観に変化が出てきました。「女性がもっとありのままの女性らしくいられたほうが、もっと楽しい世の中になるのに」と思うようになったんです。それを写真の中で表現したいと思って撮影に臨みました。
 
年齢を重ねて、それでも女性であるということを表現したかったんです。世の中の女性たちは、「女性はこうあるべき」という勝手なしがらみを、自分たちでつくり上げていることがあります。そういった考えから、解放されて良いと思うんです。でも、こういったメッセージは、言葉や文章にすると大切な感覚の部分が伝わらないことが多いんです。だから、表現方法として写真を選びました。そのほうが、私らしいかなと思ったんです。
 
おこがましいかもしれませんが、そういった考えを伝えるのは一種の使命のようにも感じています。決して自分の利益になるからではなく、例えば私と同じ年代の女性が、私の活動を見て少しでも元気になってくれたら嬉しいですね。
 
 
仕事と育児の両立に不安はなかったか聞くと、「これまでの人生において、自分で選択したことに不安を感じたことはない」と言い切った長谷川さん。何かを決断したときは、後ろを振り向かずに突き進むのだと言う。
 

何とかならないことはない

 
自分自身で選択したことは、とにかく突き進むしかないと思っています。都合の良いことに、それに対する不安は感じない性格をしているんです(笑)。リスクヘッジが大切なときもあるでしょう。でも、そればかり考えていたら何もできません。私の場合は、周囲の人を巻き込んで、みんなに子育てを手伝ってもらいました。
 
ただ、それぞれの家庭環境があるので、何が良いとは一概には言えません。私の場合は「やろうと思えばできる」というポリシーで進んでこれました。やろうと決めなければ、何もできませんよね。だからまずは動くこと。そうして行き詰ったら、周囲の人の力を借りるんです。
 
今でもそのポリシーは変わらず、「何とかならないことはない」と思っています。それが言えるほど恵まれた環境であるということは理解しています。ただ、そういう気持ちを持つことは、どんな環境でも大切だと思うんです。子育てに限らず、「成長したい」「向上したい」と思ったときは、何かを壊してでも進まないと現状は変わりません。今の状態を維持しながら、さらに上のステップに進むことは、難しいと思うんです。
 
そのために、「お母さんはこうあるべき」というイメージを自分の中から取り払いたいと思っています。法律で禁止されているわけでもないのに、「お母さんはこういうことをしてはいけない」というイメージに縛られている方は多いのではないでしょうか。そんな決まり事はないと思うだけで、すごく自由な気持ちになれるんですよ。