「生」という普遍的なテーマを掲げる『ZEROTOPIA』。そのテーマをどのように表現したいか聞くと、西川さんにとっての“生きる”意味を教えてくれた。
一瞬一瞬悔いのないものを残す
僕は、最初はバンドのヴォーカリストとしてデビューしました。ですので、ずっと音楽のみで自分を表現していたんですね。それが、いろんな機会をいただいて、その流れの中でお芝居の世界にも関わるようになりました。当初は「本当に僕が舞台に立っていいのかな」と悩むこともありましたね。でも、誰かに求められていることや、期待されていることに挑戦することによって、自分自身で気付いていなかった新たな自分に出会うことがあるんですよ。
デビュー当時は「自分はこういうイメージでなければいけない」と決め付けていた時期もありました。そんなときに気付いたのが、僕らのように多くの方の前に立ってお芝居やパフォーマンスをさせていただく職業で一番大切なのは、求められることだということ。例えば、舞台に挑戦してほしいと言われたり、子ども番組に出演してほしいと言われたり。そうした期待に応え続けてきたから、今の僕があります。
もちろん、1つのことを突き詰める美学もあると思います。でも、僕はもっとたくさんの景色が見たい。ありがたいことに、様々なことにチャレンジさせていただける職業ですしね。たった一回きりの、短い人生の中で、自分の中に一瞬一瞬悔いのないものを残していきたいと思っています。それが、僕にとっての“生きる”ことなんですよ。
求められることに応え続けていたら、様々な仕事を手がけることになったという西川さん。話を聞いていると、期待に応えたいという気持ちこそが、西川さんの仕事に対するモチベーションだということがわかってきた。
出会いが新しい場所へ導いてくれる
ミュージシャンや俳優の他にも、いろんな仕事に携わらせてもらっています。でも、僕自身が目標を持って目指してきたと言うより、期待に応え続けていたら、いつの間にかやっていたという感じです。きっと、自分で目指していたらできなかったことも多いんじゃないかな。求めてくださった方や、声をかけてくれた方が導いてくれたからこそ、ここまで進んでくることができたと思っています。
新しい場所に進むと、また新しい出会いがありますよね。僕の場合、それがまた次の活動につながることが多いんです。一つひとつの出会いを大切にすることによって、新しい場所に導いてもらえる気がしますね。
声をかけていただく仕事の中には、「これ、僕がやるべきなのかなぁ」と思うものもあるのですが、実際にやってみると良い反響をいただくことが多いですね。何事もやってみなければわからないもの。僕が悩んでも実行に踏み出すのは、やらないで可能性ばかり口にするより、実際にどうなのか確かめないと気が済まないからなんだと思います。