B+ 仕事を楽しむためのWebマガジン

経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

海外の著名作家も認めた
アクセサリー工具の製作

 

一度は諦めかけるも、再び職人の道へ

 
本場のアーティストからも好評の工具
本場のアーティストからも好評の工具
店内には数多くのアクセサリーが並ぶ
店内には数多くのアクセサリーが並ぶ
畑山 大学卒業後は、すぐにアクセサリーの職人として開業なさったんですか?
 
小鍛治 いえ、さすがにすぐに開業することは難しかったので、一般企業に就職して、まずは副業という形でアクセサリー製作を続けました。ただ、あまり売り上げが芳しくなかったことや、ずっと同じ姿勢で作業していることで腰痛を患ってしまったこともあり、一度は職人の道を諦める決意をしたんです。
 
畑山 志半ばで断念せざるを得ないのは、お辛い決断だったでしょうね。
 
小鍛治 そうですね。アクセサリーづくりに使う道具も、手元に残っていると未練がましいと思い、すべて売り払うことにしました。すると、意外なほど高値で売れたんです。しかも、その一部の工具は私が自作して使っていたものでして。私自身はそれが当たり前だと考えていたものの、ほかの同業者やアクセサリー作家さんなどは市販品を購入して使うのが一般的だったようで、非常に需要が高いことがわかったんです。そこで、同業者向けの工具の製作を仕事にしようと思い立ち、再びものづくりの道に戻ったんですよ。そして、2023年に事業を本格化すべくSTAMP WORKSを開業し、同年10月にはアクセサリーのワークショップとしてLONE STARもオープンしました。
 
畑山 なるほど。同業者向けの工具とは、一見かなりニッチな需要に思えます。でも、そこにビジネスチャンスが眠っていたわけですね。現在の事業内容についてもぜひ教えてください。
 
glay-s1top.jpg
小鍛治 リポウズ、バンプアウト、スタンプといった工具の受注生産や販売をメインに行っています。私はもともと、米国のナバホ族をはじめとする先住民の人々がつくる伝統的な宝飾品、いわゆる「インディアンジュエリー」にインスパイアされたシルバーアクセサリーを製作しておりまして。実は私がつくる工具の売り上げのおよそ7割が、海外のお客様なんです。嬉しいことに、本場である米国の著名なアーティストの方からもご依頼をいただけるほどなんですよ。
 
畑山 著名なアーティストからもご依頼があるとはすごい! 小鍛治代表の丁寧な仕事ぶりが評価されたんでしょうね。