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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

農業×福祉の相乗効果で
袖ケ浦の地域創生に貢献

 

地域の農家と障がい者、両方を支援する

 
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千葉 ここまでお話をお聞きして、稲村代表はすべて必要性があって事業を選んできたことがよくわかりました。袖ケ浦市は私がいつも参加する「ちばアクアラインマラソン」のコースでとても身近な場所ですし、その袖ケ浦市の中でも斬新で地域貢献につながる新しいお仕事が生まれていると思うと、応援したくなりますよ!
 
稲村 ありがとうございます! 地域貢献という点では、現在当法人では施設外就労として、提携している農家さんに利用者様を送迎して作業していただくという形をとっています。というのも、自身で農作物をつくるとなると、作物ができてから収益が入るまでに数ヶ月のタイムラグがあるんです。そうすると、利用者様に毎月の賃金をお支払いできなくなってしまいます。そのため、地域の生産体制が安定している農家さんのところで作業員として働き、作業代をいただくことで、働き手不足で困っている農家さんのサポートにもなっているわけなんです。
 
千葉 農家の方と利用者の方の間で良い循環が生まれているんですね。ちなみに、実際に働いている利用者さんのご様子はいかがですか?
 
稲村 これは私も驚いている点でして、ずっと利用者様と接していると、障害による症状が軽くなっているような気がするんです。
 
千葉 それは素晴らしい変化ですね! 土や自然にふれ、体を動かすことで心が安らぐといった効果があるのかもしれませんね。
 
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稲村 それももちろんあると思います。ほかに考えられる要因としては、就労支援B型事業所は、一部屋に数人の利用者さんを集めて軽作業を行うというケースが主流であり、その環境では、ほかの利用者様の声や音で自分のペースで落ち着いて作業ができないこともあるようなんです。一方、畑に出て農作業をするときは、自然の音の中で、五感に穏やかな刺激を受けつつ精神的に落ち着いて作業ができるため、体の調子も良くなっていくこともあるのではないかと考えています。例えば、うつ病やパニック障害など、後天的な精神障害を抱える方にとっては、ご自身のペースで回復を目指すにはこういった静かな環境は適しているのかもしれません。
 
千葉 利用者の方の就労や社会参画の機会創出だけでなく、回復にもつながっているとなると、社会にとってもすごく大切なお仕事だと思いますよ! 今日お話をお聞きして、稲村代表の行動力と発想力に驚きの連続でした。こういった事例があることをどんどん発信していただいて、さまざまな場所、特に農家さんの高齢化が進んでいる場所でこそ、農福連携の取り組みが広まっていってほしいですね。これからも地域の農家さんと障がい者のみなさんを元気にしていってください。私も応援しています!
 
 
 
「仕事を楽しむ」とは‥
仕事を仕事だと思わず、それが自身にとっての当たり前のように自然体でこなすことですね。それが私にとって仕事の楽しみにつながっていると思います。
(稲村浩成)
 
 :: 事業所概要 :: 
  ■ 事業所名 一般社団法人ナップ福祉グループ
■ 所在地 〒292-0224 千葉県袖ケ浦市吉野田475
■ 事業内容 就労継続支援
■ 創業 2024年2月
■ ホームページ https://nap-hukushi.studio.site
※営業目的のお電話は固くお断りいたします。