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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

若い力で農業改革に挑む
イチゴの生産・販売会社

 

奈良県のブランド品種・古都華

 
奈良県が誇るブランドイチゴ・古都華
スタイリッシュなパッケージのブランドイチゴ・古都華
狩野 あらためて、UEDAさんで生産しているイチゴについて教えてください。
 
上田 弊社では、奈良県で開発された「古都華(ことか)」というブランドの品種を栽培しています。これは古都・奈良を飾るための“華”になってほしいとの思いを込めて名付けられたもので、平城京への遷都から1300年の節目に当たる2011年にデビューしました。サンプルをご用意しましたのでご覧ください。
 
狩野 これはすごい! こんなに大きなイチゴみたことないですよ! どんな特徴があるのか気になるなぁ。
 
上田 古都華の一番の魅力は、甘みと酸味のバランスが良く、味が非常に濃厚な点ですね。また、実がしっかりとしているので、ほかの柔らかい品種と比べて日持ちするのも特徴の一つです。特に弊社では、甘みと酸味を際立たせるような栽培を心がけており、口の中に味の余韻が残り続けるような濃厚さがお客様に大変喜ばれています。
 
狩野 イチゴというと1月から3月にかけて旬をむかえて店頭に多く並ぶイメージがあります。こちらではどのようなサイクルで生産されているんでしょうか。
 
上田 弊社ですと、まず夏場におよそ6万株のイチゴの苗を植えるんです。オフシーズンではその苗を自社で育て、どんどん増殖していく作業がメインとなりますね。そして、冬場から春にかけて最盛期を迎えると、百貨店などで贈答品としても販売されています。
 
狩野 百貨店などで販売されるとなると、いわゆる高級ブランドのイメージですね。
 
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上田 そうですね。古都華はもともと他品種に比べて収穫量が少なく、より品質の良いイチゴとなるよう栽培管理されているんですよ。特に弊社では、実に栄養がいきわたるようにイチゴの代謝を抑えるような環境づくりをしているほか、イチゴを収穫する時間も早朝、日が昇る前に行うようにしています。というのも、植物は成長するために日中に光合成を始めますよね。すると、代謝によってその分のエネルギーを消費するため、実に蓄えられた糖分も減ってしまうんですよ。その一方、翌日の光合成に備えて夜間に糖分を蓄え始めるので、最も糖度が高くなる時間、つまり日が昇る直前に収穫しているんです。
 
狩野 私の実家でも父が農業をしていたので、その大変さがよくわかります。天候や自然環境によっても生産状況が左右される中で、繊細な作業を求められる農業を行う上田社長には頭が下がりますよ!