石黒　埼玉県富士見市で創業50年を迎える有限会社渡辺工務店さん。先代は渡辺社長のお父様だそうですね。やはり、家業は幼少期から身近でしたか？
 
渡辺　はい。小学生の頃から、職人だった父と一緒にさまざまな現場を見させてもらっていました。成長とともに家業を継ごうと考えるようになり、まずは社会的な常識を身に付けるため、大学卒業後に大手ハウスメーカーに就職しまして。12年間、建売の営業を務めました。ただ、いざ弊社に入社すると、職人さんたちの使う専門用語がわからなくて困りまして。そこで、ゼロから現場の技術を学び直し、建築士の資格も取得したんです。
 
石黒　御社で技術を本格的に学ばれたのですね。現在のお仕事内容を教えていただけますか。
 
渡辺　リフォーム、木造戸建て住宅の新築工事のほか、外構工事も請負います。リフォームは戸建て、アパート、マンション、店舗等の建物にご対応していますよ。お客様のライフスタイルに合ったプランのご提案をしつつ、ご一緒に住宅・施設をつくり上げていきます。
 
石黒　これまでに印象深かったのはどのような案件ですか？
 
渡辺　「和室をオーダーメイドしたい」「総ヒノキで家を建てたい」「減築し、平屋を1000万円以内で建ててください」というご要望などです。また、「福祉施設を急きょつくってほしい」「店舗を短期で完成させたい」とのご依頼もありました。
 
石黒　実に多様でユニークなご要望です（笑）。他社では「無理です」と断られそうでも、じっくり話を聞いてくださる渡辺社長には相談しやすいでしょうね。
 
渡辺　そう言っていただけると嬉しいです。先ほどの総ヒノキの家は元材木屋さんのご希望でして。減築を依頼されたのは一人暮らしのご高齢者で、かつては大家族でした。このようにお客様は思い入れやお困りごとがあって頼まれるのですから、力になりたいのです。父も常に「絶対に何とかできる！」と言っておりました（笑）。