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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

内装工事から表具まで
和を仕上げる伝統職人

 
 
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タージン 貴重な伝統技能を担う職人さんなのに、事業としては難しかったのでしょうか。
 
墓越 当時から日本の住まいは和室が減少していましたからね。表具だけでなく内装工事のご依頼も減っていたんです。食べていけるほどの仕事がなく困っていたものの、そのときたまたま職場の隣に賃貸マンションが完成しまして。オーナーさんが原状回復の仕事をくださり、やがて、ホテルの工事も始めるなど事業がうまくいくようになりました。
 
タージン 表具師ならではの卓越した技術を、現代の建物に生かすことができて本当に良かったです。事務所には額に入れた表装技能士1級の合格証書も飾ってありますね。国家資格をお持ちなので、お客さんも安心して仕事を任せられるでしょう。
 
墓越 ありがとうございます。この資格は、文字どおり壁に紙を貼ったり装飾を施したりする専門職人に与えられる資格です。下地の調整から仕上げまで任せていただける証明なんですよ。
 
タージン 表具から内装まで一貫してお願いできる職人さんはなかなかいないでしょう。墓越代表はまさに貴重な存在ですよ。特に住まいに和室や床の間がある方は、内装工事から額・掛け軸の制作までワンストップでお任せできるので頼りになりますね。それでは、表具師として墓越代表が最も心がけていることを教えていただけますか。
 
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墓越 お客様の書画を仕上げるときは、額の周囲に細い筋を入れ作品を際立たせる「覆輪(ふくりん)」といわれる手法を用います。ただ、覆輪の色を少し間違えただけで作品の良さを殺してしまうんですよ。このような繊細な仕事に丁寧に向き合うことが私のモットーです。
 
タージン お話をお聞きして、表具は日本文化の神髄とも言えるお仕事だと感じました。ぜひ、今後も伝統を守り続けてください。
 
墓越 もちろんそのつもりです。近年はアメリカやフランスで和室の良さが見直されているんですよ。いずれは海外に出て表具師として活躍すること。これが私の目標です!
 
タージン 作品や和の空間を生かすも殺すも表具師次第ですね。墓越代表の見事な腕と幅広い対応力に私も大いに期待しています。これからも攻めの姿勢で頑張ってください!
 
 
 
「仕事を楽しむ」とは‥
お客様から「ありがとう」「墓越さんに頼んで良かった」と言っていただくと大きなやりがいを感じます。大変な仕事ですが、お客様が喜んでいるところを見ると疲れも吹き飛びますよ。
(墓越功)
 

:: 事業所情報 ::

ハカゴシ表具内装店

〒650-0004 兵庫県神戸市中央区中山手通3-10-10