阪神電鉄本線の御影駅より徒歩1分。書道家・浜辺楠舟氏が代表を務める楠舟書道教室は、子どもから大人まで、初心者も上級者もみんなが書に親しみ、その楽しさ、奥深さをとことん味わえる場だ。情熱的かつ柔和な浜辺代表の指導に加え、夜21時まで開講、LINE添削可など、多種多様な生徒を受け入れる工夫も人気を支える。書家として120歳まで生きたいという浜辺代表に、これまでの歩みや書道の魅力をうかがった。
週1の“勉強の日”からスタートして半世紀
浜辺 私は高校を卒業してパナソニックに入社した後、パナソニックグループの創業者であり、経営の神様と呼ばれている松下幸之助さんの意向で、週休2日のうち1日は勉強、1日は遊びに使うように言われていました。そこで、何か趣味を持とうと始めたのが書道でしてね。それが、ちょうど20歳ぐらいの時でした。字が上手になりたくて、勉強を始めたんです。
狩野 私も姉の影響で、小学校の途中から中1までお寺のお坊さんに書道を習っていました。でも、字には自信ないですね。今もサインを求められると、相手の方のお名前を書くたびに内心ヒヤヒヤします(笑)。浜辺代表はどのタイミングで書道教室を開かれたのでしょう。
浜辺 もともとは会社で働きながら芦屋のほうで教えていました。阪神淡路大震災の後、弟子の1人に誘われて御影の今の場所に移ってきましてね。そして、51歳の時に早期退職し、教室一本の生活になったというわけです。