濱中　株式会社ainowa（アイノワ）さんが運営する、大阪府泉南郡田尻町のhair salon IBA（ヘアーサロン イバ）さんにお邪魔しています。射場代表は2代目とお聞きしました。さっそく、お店と射場代表のプロフィールを教えてください。
 
射場　このお店は私が生まれる前から母がこの場所で経営していたんです。奮闘する母の背中を見て育った私も、中学生の頃から見よう見まねで、よく友人の髪を実験台にしていました。17歳の時から美容室で働きながら通信で専門学校に通って美容師の資格を取り、複数の店舗で修業しまして、結婚・離婚を経験し、2人の息子を持つシングルファーザーになりました。
 
濱中　男手一つで、働きながら二人のお子さんを育てるのは大変だったでしょう。
 
射場　ええ。市内などの都会で働きたかったですが、家から離れてしまうと子どもから目を離す時間が多くなりますし、育児と仕事の両立が難しくなります。離婚した時はまだ下の子は小学校にも上がっていませんでしたからね。ただ、当店はご覧の通り住宅街にあり、立地に恵まれていません。私が継いだ頃はお客様がゼロの日もありましたね。周囲の人たちにも「ここで続けても若い人は来ないし絶対に流行らない、やめたほうがいいよ」と忠告されました。
 
濱中　その苦しい状況から、射場代表がどうやってお店を立て直したのか気になります。
 
射場　とにかく必死でしたね。息子の面倒を見るためにも、私はこの店で踏ん張る道しかありませんでした。覚悟を決めて再スタートをきったんです。まず始めたのはInstagramの開設です。苦手だったSNSを勉強して小まめに情報を発信し、こんな場所でも事業は成功できることを証明しようと決意しました。おかげさまで当店の存在が知れ渡って、お客様も順調に増加したんです。もちろん今もSNSの発信を地道に続けています。