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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

コロナ禍でも過去最高益
生産面も充実の鉄鋼商社

 

コロナ禍でも成長できた理由とは?

 
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八木 コロナ流行の前から、「何か悪いことが起きるのでは?」と考え、そのための準備をしておくというのはおもしろい考え方ですね。
 
英保 常に現状に満足せず、良いときにこそ悪いことを想定するようにしています。だから仕事でも成功したことは忘れて、失敗したことだけを覚えておくんです(笑)。
 
八木 右肩上がりで勢いのあるアースメタルさんですが、お話をうかがっていると英保社長は良い意味で慎重ですよね。きっと、それが良い結果につながっているのだと感じました。野球でも、強いチームの監督には、楽観的な人よりも心配性な方が多いですからね。
 
英保 それは意外ですね! 闘将・星野仙一さんもそうだったのですか?
 
八木 ええ、星野監督も最悪のケースを常に想定されていましたね。数々の偉業を達成されたのも、チームの調子が良いときですら危機感を持っていたからだと思います。ただ、それはマイナス思考とはまた別なんですよ。やることをしっかりとやりながら、心のどこかに危機感を持っておくというイメージですね。それは英保社長も同じではないですか?
 
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英保 確かに、私も常に頭の片隅に危機感を持っていますね。甘い話を持ちかけられても前のめりにならず、起こりうる悪いケースを想定して判断するようにしています。その中でも特に肝に銘じているのは、「目先の利益には飛びつかない」ということです。
 
八木 そこも名将の資質だと私が考えているポイントです。ペナントレースでの優勝を考えたとき、143試合という長丁場をマネジメントする力が必要なんです。長いシーズンでは、必ずどこかでチームの調子が落ちます。スタートダッシュだけが良くても、選手の疲れが溜まるなどして、勝てなくなる時期が訪れるんですよね。そのことを見越して、選手起用を考えなくてはいけません。英保社長が最悪の事態を常に想定し、目先の利益を追わないとおっしゃるのも、会社経営を長いスパンで見ているからだと思いますね。
 
英保 ありがとうございます! もう一つ、個人的には少数精鋭の企業だという利点も大きいのではないかなと思います。小回りの良さを活かして、どんな事態にも柔軟に対応できますからね。加えて、人数に比例してコロナに罹るリスクが少なかったというのもアドバンテージでした。