今しかないというタイミングを見極めて独立
朝比奈 ええ。母親の実家が愛知でして。生まれてすぐに父親の地元である大阪のミナミに移ったので、愛知での記憶はほとんどありませんね(笑)。ミナミの実家では、飲食業を経営していました。ですから、振り返ってみると、幼い頃からおいしいものや料理をつくることには関心が高かったように思います。
タージン なるほど。それで自然と舌が肥えていったんですね。それでは、お寿司屋さんになった経緯はなんだったんでしょうか?
朝比奈 高校卒業後、居酒屋でアルバイトをしていたときに将来のことを真剣に考え、20歳で寿司屋に修業に入ったんです。それから、当店を開店するまで20年かかりました。
タージン ほう、20年ですか。その間に学んだことはたくさんありそうですね。
朝比奈 そうですね。修業時代は我慢をしながら、いろいろなことを学びました。職人としての技術はもちろん、我慢をすること、そしてタイミングを見極めることの大切さが身につきました。こうして開店できたのも、我慢を重ねたうえで「今だ!」という、ちょうど良いタイミングを見極められたからだと思っています。