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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

柔軟な発想と高い技術で
幅広い金物を製作・販売

 

技術や分野にこだわらず柔軟に活かす

 
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畑山 これまで取り扱ってきた分野以外の製品も幅広く製作し、オーダーにも柔軟に対応できる。やはり、それがウカイさんの会社としての強みなんでしょうか。
 
鵜飼 そうですね。これまで、ものづくりの業界では、何か1つの技術を極めることが職人の美徳とされてきました。しかし、これからの時代、頑なに1つの技術や分野にこだわっていてはビジネスとして行き詰ってしまいます。私が弊社の経営を引き継いだときもそうでした。昔の職人は自分の腕があれば自然と仕事をもらえたかもしれません。でも、今は自分から積極的に営業して働きかけなければ、待っているだけでは見向きもされない時代なんだと思います。
 
畑山 それはまさに、鵜飼専務が他業種で働いていたからこその発想なんでしょうね。そうした考え方が、会社そのものに変革をもたらしたと。
 
鵜飼 おっしゃるとおりですね。もちろん、技術を極めること自体は良いことだと思います。例えば畑山さんのように、ボクシングで世界チャンピオンまで登り詰めた方は本当にすごいですから。それに、プロスポーツ選手が引退したあとのセカンドキャリアも、コーチや解説者など、それまで培ってきたことを活かした仕事ができます。実は、私も学生時代、ラグビーに打ち込んできました。その中には、活躍し続けられる選手もいれば、ケガをして競技を続けられなくなってしまった選手も多くいます。それまで競技だけに打ち込んできて、ほかのことができず路頭に迷ってしまう。私は、現在の職人たちにそんなことにはなってほしくないんです。例えば、昔の職人のように釘がきれいに打てることだけ突き詰めても、現代では意味がありません。ですから、自分が持っている技術をどう活かすか、あるいは自分の技術をどう増やしていくか。それを考えることが大事だと思います。
 
畑山 1つの技術だけでなくいろいろな技術を得ることや、自身の技術を多方面に活かすことが求められるわけですか。
 
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鵜飼 ええ。それに建設や製造の現場では、さまざまな想定外の事態が起こり得ます。例えば、施工に誤差が生じてしまったり、実際に建設した建築物が図面とは違っていたりなど。弊社はそうしたケースにも技術や分野にこだわることなく柔軟に対応し、経験を積んできました。すべての現場は一つひとつ違います。ですから、どんな想定外のことが起きたときでも、「違うからできない」ではなく、「違ったときはどうすればいいか」を考え、対処するようにしています。