平　最初に勤めた訪問販売の会社に、「ネガティブな発言は厳禁」というルールがありまして。それに従って何事もポジティブに考えるよう訓練されるうちに、「売れない理由を探して言い訳をするのは格好悪い」「1日1人でも、気持ちが通じるお客様がいればありがたいし嬉しい」と、喜びや達成感を味わえるようになったんです。
 
相原　それわかります！　物事をポジティブに捉えていると、100の出来事のうち1つでも良いことがあれば、それが何倍にもなって元気が出るんですよね。毎日そうやって喜びを感じながら、生きてきたような気がします。
 
平　それに、私のことを頼ってくださるお客様、協力業者様、何より身近な存在の従業員がいると思うと、仕事に手を抜けなくなりますよね。訪問販売の時は契約数、売り上げ、利益が頭の中を占めていましたが、今の私は価値観が変わりましてね。どうすれば目の前の人の役に立てるのか、喜んでいただけるのか、自分の仕事は関係する人のためになっているのか、誰かに不利益を与えるようなことはしていないか──。そういったことを基準に仕事に取り組むようになりました。
 
相原　人に喜んでもらえる仕事ができれば、お金は後からついてくるもの。まさに平社長は、お客さんや職人さんたちとの信頼関係の中でここまでやってこられたのですね。私も日々、いろんな方のおかげで生きているんだな、と感じます。リフォーム業で独立した時も、お客さんがたくさんついてきてくださったでしょう。