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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

利便性の高い検査器材で
検査現場の手間を軽減!

 

V字型の試験管を開発!

 
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三浦 僕が印象に残っている検査というと、なんといっても現役時代のドーピング検査です。抜き打ちで尿を採取されるんですよ。でも、試合中にたくさん汗を掻くから、簡単には採取できないんですね。どうしても尿が規定の量に足りなかったこともありました。それで、水をがぶがぶ飲み続け、2時間かけてようやく解放された嫌な思い出があるくらいで(笑)。こういう検査のとき尿は紙コップに出しますよね。臨床検査器材さんの製品はどこからが出番になるんですか?
 
吉田 紙コップに出した尿は、試験管に移し替えて検査用の機器で測定します。この試験管に、当社の製品が使われていることになりますね。
 
三浦 一口に検査器材といっても製品ごとに用途が違い、その形状も様々のはず。開発するにはアイデアが必要だし、ご苦労も多いのではないかと思います。御社ならではの工夫があれば、ぜひ教えていただきたいです。
 
吉田 例えば、血清が規定量よりも不足していると、測定機械が受け付けません。その場合は、スポイトで血清をサンプルカップに移し替えて、カップを試験管の上に乗せて測るんです。大きな検査機関になると、スポイトなどで移し替える作業を1日1500本も繰り返すことになるんですよ。
 
三浦 そんなにたくさん!? スタッフも嫌になってしまうだろうな(笑)。
 
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様々な要望を満たす検査器材を開発している
吉田 そこで当社は底をV字型にして、血液の量をかさ上げできる試験管を開発しました。ただし、単純にV字にするだけでは試験管立てに置くとぐらついてしまう。だから試験管の接地面は従来通り丸くして、内部だけをV字型にしたんです。
 
三浦 そういった画期的な形状の試験管は、簡単に開発できるものなんですか?
 
吉田 簡単にはいきませんでした(笑)。内部をV字型にすると、素材のプラスチックがその部分だけ厚みを持つ。すると、製造過程で気泡が入りやすくなってしまうんです。それでも試行錯誤を繰り返し、新しい技術を編み出して、なんとか製品化にこぎつけました。この試験管を使用すれば、サンプルカップに移し替える作業を軽減することができます。