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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

安心・安全を搭載し
快適なバス旅行!

 

乗客やドライバーの安心感が安全につながる

 
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前園 具体的にどのような安全対策をなさっているか教えてください。
 
石井 運転中の映像を記録する車載器のドライブレコーダー、乗務前の飲酒状況を調べるアルコールチェッカーといった機器は当然のこと、衝突被害軽減ブレーキシステム、車両ふらつき警報、車間距離警報装置などを搭載したバスを導入しています。また、IP無線とGPSを利用した車両の集中管理も行っており、従業員に対する教育・研修も適宜行っています。そうした取り組みが奏功し、2012度から2013年度にかけて当社では、重大事故や有責事故、行政処分などは一切ありません。
 
前園 素人の僕が聞いても、事故防止への力の入れようがわかります。IP無線による車両管理というのはどのようなものなのですか。
 
石井 GPSによって、全国どこに車両がいても、事務所からその位置や走行速度が管理できるシステムです。もし車両の進路に悪天候による速度規制や通行止め、または渋滞などがあれば、前もってドライバーに知らせることもできます。
 
前園 管理者がドライバーの運転状況を把握できるだけでなく、交通情報をもとに迂回指示などを出して、スムーズな走行を支援できるわけだ。便利ですね。
 
石井 はい。カーナビよりも細かい状況判断・指示ができるので、ドライバーも安心して運転に集中できます。事故というのは1つのエラーからではなく、複数のエラーが重なって起きるもの。だからこそ、細かい運行指示でエラーの芽を事前につみ取っておく必要があるのです。
 
前園 渋滞してスケジュールより遅れた、迂回しようとしたら道を間違えた。それで乗客がイライラしてドライバーも焦りが・・・。そんなエラーの連鎖を防ごうと。
 
石井 おっしゃる通りです。その他、全てのバスに長期保存食料や保存水、組立式簡易トイレを搭載しており、半数の車両には自動体外式除細動器、いわゆるAEDも搭載しています、全社員ドライバーが東京消防庁の普通救命講習、別名で自動体外式除細動器業務従事者講習と呼ばれる講習を受けております。
 
前園 大雪で観光バスが立ち往生したというニュースを見たことがあります。そうした事態にも備えてくれているのなら、乗客も安心できますよ。
 
石井 備えあれば憂いなしですからね。それに、もしもの時に対する準備を万全にしておけば、ドライバーも不安を覚えずに運転に集中できるから、結果的に事故防止につながるのです。
 
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全ドライバーが救命講習を受けるなど、様々な安全策を講じている
前園 そういう取り組みは石井社長ご自身がプロドライバーだったからできる取り組みですよね。現場を知るからこそ、車両設備などのハードと、ドライバーのメンタルというソフトの両面に配慮した体制を整えていることが、よくわかります。
 以前、過労で体調不良に陥った長距離バスのドライバーが、運転中に意識を失って事故につながったことがありましたよね。
 
石井 ええ。あの後、安全基準が厳しくなり「激安運賃」は禁止され、安全コストを反映した運賃に改定するよう法律が改められました。そのため、過当な価格競争が起きなくなったいっぽう、各社が差別化をいかに図るかが業界の鍵となっています。