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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

生活や経済を陰で支える
システム開発は「山登り」

 

万に一つのミスも許されない仕事

 
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片山 自衛隊での経験は、後の人生に大きな影響を与えることが多いそうですね。任官経験がある人は誰しも、長短に関わらず 「実りある期間だった」 と言いますよ。
 
松浦 そうですね。礼節や規律遵守などを厳しく教えられた他、私の場合はチームプレイの大切さについて深く学びました。F1のレース中に、ピットの様子が実況中継されますよね。あれを見ていると、メカニック時代のことを思い出して緊張すると共に、チームワークの大切さについて再認識するんですよ。
 
片山 確かに、1つのピットに大勢のメカニックがいて、それぞれが大切な役割を担っています。そのうちの誰が欠けてもレースには勝てないし、最悪の場合、事故につながる可能性だってありますからね。
 
松浦 戦闘機のドックも同じです。誰かの、ちょっとした気の緩みが大きな事故を招く可能性もある。1機の戦闘機を整備するメカニックは通常50~60人いまして、その頂点に位置するのがパイロットなんですよ。言わばパイロットは指揮者ですね。
 
片山 操縦士が空にいるか陸にいるかの違いだけで、状況は似ていますね。私も現役時代はメカニックに細かく指示を出しました。レース中は特にピリピリして、過激な言葉を口にしたこともあったなあ(笑)。
 
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松浦 生死に関わる問題ですから、言葉が激しくなって当然ですよ。戦闘機のパイロットもそうでした。でもある宴席で、パイロットの1人がこう言ったんです。「お前たちがいるから俺は安心して飛べる」 と。
 
片山 それは嬉しいですね。日頃の苦労が報われたでしょう。
 
松浦 はい。戦闘機整備においては、万に一つのミスも許されません。99%の達成ではパイロットは安心して飛べない。1%の 「不安」 が、操縦中のミスにつながることもある。もっとも、現在私たちが行っている業務システム開発も 「多分、大丈夫だろう」 が許されない仕事ではあります。また、普段は一人ひとりで仕事をしているけれど、要所要所でチームプレイが必要な点も共通しています。
 
片山 具体的に、御社が手がける業務システム開発とはどのような仕事なのでしょう。
 
松浦 金融機関の基盤システムや銀行、生損保、カード会社等のシステムなど、主に金融に関わる業務の主幹をなすシステムの構築です。特に生命保険会社の数理システムにおいては、当社のような規模で手がける会社は少ないと自負しています。