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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

 
 
稽古現場がとても楽しいと話してくれた新納さん。「良い作品をつくれるというワクワクがある」と話してくれた。それは、稽古が始まる前、『う蝕』のオファーがあったときから感じていたことだという。
 

ワクワクする道を進む

 
俳優は普段、台本のセリフを一言一句間違いのないように覚え、それを観てくださる方に伝えます。でも『う蝕』の現場では、まずディスカッションをし、共演者やスタッフの方々とブラッシュアップしながら作品をつくり上げるところから始まりました。みなさんとても穏やかで、まじめで、何より芝居好きの方々。作品をつくり上げていく中で、それぞれの個性なども伝わってきて嬉しいですね。
 
『う蝕』のオファーをいただいたときは、まだ台本も何も決まっていない頃でした。でも、是非やりたいと感じたんですよ。ありがたいことに、ときには同時期に2作品のオファーをいただくこともあります。そういったときは、今回のように「やりたい」と感じたものを選ぶようにしています。基準などはなく、「良い作品になりそうだな」という感覚をもとに選んでいるんですよ。
 
人生は選択の連続というように、仕事内容を選ぶ際だけでなく、生きていくうえでは多くの選択をしなければいけません。僕は昔からワクワクするものを選んで歩んできたんです。その結果、俳優の仕事をしています。学生の頃は、毎日同じ時間に起きて電車に乗り、出勤する自分が想像できなくて(笑)。日々違うことができる仕事が良いなと思っていたんです。ただ、今はスーツを着て会社勤めをすることに憧れる気持ちもあります。街でビジネスマンを見かけると、かっこいいなぁと思うんです。いつか、お芝居よりも会社勤めにワクワクを感じたらパッと転身してしまうかもしれないですね(笑)。
 
でも、長年俳優を続けて「結局自分は芝居が好きなんだな」と実感しています。この仕事は恐怖と戦い続けなければいけないんですよ。いただいたお仕事で失敗してしまったら、次はないかもしれない。来年の自分がどうなっているか保障のない仕事です。失敗できない恐怖と日々戦っています。それでも続けているのは、結局芝居が好きだからなんです。大好きな芝居を続けるためには、この恐怖とも付き合っていかなければいけません。
 
 
 
 
 

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