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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

 
 
インタビューの中で、繰り返し「リスペクトを持つことが大事」だと語ってくれた川平さん。その考えは、両親から受け継いだものだという。川平さんの考える“リスペクト”について、詳しくお聞きした。
 

軸にあるのはリスペクトの気持ち

 
僕の両親は敬虔なクリスチャンで、僕自身もクリスチャンです。両親は、どんな人にもリスペクトを持って、対等に接するべきだという考え方を僕に教えてくれました。だから僕は、人に対してフェアであるように気を付けているつもりです。
 
最近おもしろかった経験として、ハラスメント研修に出たことがあります。ミュージカル『カラフル』が上演される世田谷パブリックシアターでは、舞台に関わる全員を対象としたハラスメント研修が行われているんです。これは、職業に関わらず多くの方が受けたほうが良いですよ! すごく勉強になったし、僕が20代の頃からやっていてほしかった(笑)。やっぱり、お互いをリスペクトして対等に接するのは大切なことなんだとあらためて感じられましたよ。
 
ミュージカルには、コーラスや群舞などを担当するアンサンブルという方々がいます。僕もアンサンブル経験者ですが、昔はアンサンブルが出演者や演出家に意見することはとてもじゃないけどできませんでした。でも、僕はアンサンブルこそ多くの意見を出していいんじゃないかと思っているんですよ。最近ミュージカルを見ていて思うのは、アンサンブルのクオリティが高いほど、作品自体の満足度も本当に高いです。彼らが、作品を突き上げているのだと感じています。
 
また、出演者に急なアクシデントがあった際に代わりに演じる、スウィングという人もいます。スウィングが役を奪うくらいの気持ちでフルパワーで臨んでくると、僕らの気持ちも鼓舞されます。その相乗効果が、僕の考える“リスペクト”なんですよ。リスペクトとは、相手に対してだけではなく、自分をリスペクトすることも大切です。だから、お互いに「もっとできる」という気持ちで高め合っていきたいですね。
 
 
(インタビュー・文 中野夢菜/写真 Nori/ヘアメイク 森川英展/スタイリスト 関恵美子)
 
 
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川平慈英 (かびら じえい)
1962年生まれ 沖縄県出身
 
大学在学中にミュージカル俳優としてデビューを果たし、1991年にはWOWOWの『WOWOWスーパーサッカー』にてメインキャスターとして出演。サッカーへの情熱溢れる語り口で、お茶の間の人気を博す。俳優としてはミュージカルのほか、テレビドラマや映画、舞台作品など垣根を問わず活躍。2023年7月22日から世田谷パブリックシアターにて上演される、ミュージカル『カラフル』に出演予定。

Twitter
https://twitter.com/2013tabu/
ミュージカル『カラフル』
https://setagaya-pt.jp/stage/1858//
 
 
(取材:2023年6月)