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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

 
 
登坂さんにとって大切なのは、誰かに喜んでもらうこと。そのための手段がレスリングだったという。現役を退いた今も、「人に喜んでもらうため」という軸に変わりはないという。現在のお仕事に対する取り組み方についてもうかがった。
 

仕事の軸は変わらず、前進し続ける

 
現役時代は自身の体を使って戦い、結果を残すという勝負の世界でした。現在は、テレビ番組などにも出演させていただいています。言葉で自分の思いを伝え、表現する世界に入ったんです。それが大きな違いですね。まったく知らなかった世界なので、日々驚くことばかりで緊張しますね。現場で学びつつ、気付きを得ています。
 
例えば、テレビを見ると司会の方やタレントさんなどが映っていますよね。自分がその立場に立って、画面に映らないお仕事をされている方がこんなに多いんだと知りました。レスリングをやっていた頃は、例えば練習を休んでも誰に迷惑がかかることもありません。でも、今は私が遅刻をしたり、休んでしまったりするとお仕事に関わっている多くの方に迷惑がかかってしまいます。社会人として当たり前のことですが、そういった部分の責任は大きいと思っていますね。
 
多くの方に支えられてできる仕事であり、決して一人では成しえないことをさせてもらっています。それが、本当にありがたいと思っていますね。そういった感謝の気持ちを忘れずに、今後も真摯に仕事に取り組んできたいです。慣れてしまうと当たり前だと感じてしまうこともあるかもしれません。レスリングと同じように、初心を忘れずに前進していこうと思っています。
 
まだ自分の中でしっかりとした形にはなっていないものの、今後も人に喜んでもらえる活動をしていきたいと考えています。これまで多くの方に応援してもらったからこそ、今の私があるので、今後はその恩返しをしていきたいんです。誰かの背中を押せるような、人のためになることをしていきたいですね。
 
私の仕事の目的は、ずっと変わらず「人に喜んでもらうこと」です。私は人が好きなので、何かしてもらうと倍にして返したいと思う性分なんですよ。そのためには、自分が元気で楽しみながら仕事をしていないといけませんよね。自分のことも大切にしながら、前進を続けていきたいです。
 
 
(インタビュー・文 中野夢菜/写真 Nori/ヘアメイク SHIZUE/スタイリスト 杉長知美)
 
 
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登坂絵莉 (とうさか えり)
1993年生まれ 富山県出身
 
小学3年生のときにレスリングを始める。高校入学後は全国高校女子選手権を二連覇。大学時代には世界選手権に出場し、2013年から三連覇している。2016年にはリオデジャネイロオリンピックの48kg級で金メダルを獲得。その後、2022年に第一線を退いたことを表明した。現在は子どもたちへのレスリング教育活動を行うほか、バラエティ番組などでも活躍を続けている。

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(取材:2023年2月)