冷静に自分がどうすべきなのか考える
一日一日の積み重ねが結果につながる
大切なのは一日一日の積み重ねです。その一日をどれだけ大事にできるか。自分が持つ目標に対して、どれだけ熱い思いを持てるかだと考えています。例えば、腕立て伏せでも一回一回90度腕が曲がるまで頑張るのか、30度でやめてしまうのか。そういった積み重ねの先に結果があるんです。
試合に負けると後悔が残るでしょうし、「あのときこうしておけば良かった」と思いつくことがあるでしょう。そういった要因を、事前にどれだけ潰して試合に臨めるかが重要です。妥協せず、日々の練習に取り組むことを常に心がけていました。
スポーツをする中では、センスもとても重要です。私は、周囲にいた多くの優秀な選手と比べると、それほど大きなセンスは持っていなかったと思っています。それでも、日々の練習に真摯に取り組むことで金メダルという結果を残すことができました。練習への取り組み方によって、チャンスをつかめるんだと証明できたと思っています。
現在は、子どもたちにレスリングを教える活動もしています。その中で、私のこれまでの経験から得たことを伝えていきたいと思っているんです。ただ、今大事にしているのは、まずスポーツを楽しんでもらうこと。一つのスポーツに決めて、その道に打ち込むのも良いと思います。でも、子どもたちには多くの可能性があるので、まずは体を動かす楽しさを知ってもらいたいんです。その先で、いつかレスリングを選んでくれたら嬉しいです。
私がずっとレスリングを続けてきたのは、試合に勝つことで喜んでくれる方々がいるからです。子どもの頃は、勝ったことで喜ぶ両親の顔を見るのが好きでした。だんだんと応援してくださる方が増え、みなさんに喜んでもらうことがレスリングを続けるモチベーションになっていました。