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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

 
 

モチベーションは湧き出るもの
挑戦を続けながら成長する

 
10月4日から、東京芸術劇場シアターウエストで上演される舞台『プルガトリオ-あなたと私のいる部屋-』。髙嶋政宏さんとともに二人芝居に挑むのは、女優の草刈民代さんだ。まだ日本語訳のなかった同作の翻訳から携わり、さらにプロデューサーという新たな挑戦もしている草刈さん。インタビューの中では同作の持つ魅力や、台本をつくる際の苦労などをたっぷりとうかがった。その中で草刈さんが何度も口にした「挑戦」という言葉から、仕事を楽しむヒントを探った。
 
 

演劇のプロデュースに初挑戦

 
10月4日から上演される舞台『プルガトリオ-あなたと私のいる部屋-』は、私にとって初めての演劇作品のプロデュース公演でもあります。2年前にワークショップを通じて、今回演出をお願いしているニコラス・バーター氏と出会いました。そして、意気投合し、一緒に舞台作品をつくろうという話になったのです。バーター氏と作品を探す中で、「アリエル・ドーフマンの『PURGATORIO』が面白いと評判になっている」とお聞きしました。
 
『PURGATORIO』は、日本初演です。もとはスペイン語で書かれた戯曲ですが、今回は英語版を元に翻訳しています。私は英語を話しますが、きちんと戯曲を読めるほどのレベルではありません。でも、自動音声のソフトを使いながら何度も繰り返して読んでいるうちに、とても面白い戯曲だとわかってきました。そして夫の周防正行に相談したところ、「まず下訳に出してみたら」と。そして、出来上がった下訳を読んでもらったら、「面白そうだ」と言ってくれたのです。今回は周防に日本語の上演台本を書いてもらっています。
 
下訳を元にして、通訳を交えながら周防と共にバーター氏の解釈をうかがい、推敲を重ねて台本をつくり上げました。当たり前の話ですが、ほかの国の言葉を日本語にするのは本当に難しい。文化的背景も違いますし、暮らしている人の精神性も違いますしね。そもそも言語の構造が違うので、そのまま直訳すると全く意味がわからなくなってしまうところもあったし、直訳したほうがかえって面白くなるところもありました。
 
「言葉は文化そのもの」と言われることがありますが、英語と日本語を照らし合わせながらものを考えていくと、そのことがとても良くわかります。ここまで戯曲と向き合ったことはなかったけれど、これから先につながる大きな体験だったと思います。たくさんの気付きがありましたし、英語力も上がったような気がします。
 
 
 
 
 

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