須藤氏が格闘家として活躍していた頃から掲げ続けている言葉に「WE ARE ALL ONE」というフレーズがある。インタビューの最後に、「全ては一つ」という言葉が持つ、その奥深い世界について語ってもらった。
WE ARE ALL ONE!
ぼくはこの現実世界のことを、自分の意識が投影された場所だと考えているんです。全ては自分がつくりだしている世界で、客観的実在はありません。だからみんな、同じ世界に生きているようでいてバラバラに個別の世界に生き、それぞれが見たいものしか見ていない。WE ARE ALL ONEというのは、そうしたことも踏まえて「全ては一つなのだ」という意味です。
どういうことかと言うと、世界は自分の意識が投影された場所で、自分がつくり出しているのだから、目の前にある何もかもが自分自身で、他人も当然、自分自身なんです。他人も自分自身なら、自分自身のように他人のことも大切にするでしょう? それに、仮にうまく行かないことがあっても、人のせいにはできないですよね。なぜなら自分の意識が構成した世界なんだから。良いことも悪いことも、身に降りかかることは全部自分の責任です。みんながそのことを理解したら、世界は一晩でガラッと変わって平和になりますよ(笑)。
もう一つ、自分が何かをほしいと思ったら、まずは人に与えることが大事です。キレイごとに聞こえるかもしれないけど、たとえば歴史上の偉人、西郷隆盛は部下にはただでは絶対仕事をさせなかった。必ず見返りがある仕事をさせていたんです。だから人望があった。自分が何かを成し遂げるには、御輿を担いでくれる人が必要です。でも、自分だけ得をしようとする人には、誰も協力してくれません。逆に、周囲のみんなが利益を得られるよう考えて行動すれば、大きな仕事ができる。これも、WE ARE ALL ONE。人生はゲームみたいなものだし、自分の気持ち次第で良くも悪くもできます。だから本当に、楽しんだもの勝ちですよ!
(インタビュー・文 佐藤学 /写真 Nori/スタイリスト 松本信一郎 /ヘアメイク YOSHIYUKI SIHNOZAKI)
須藤元気(すどう げんき)
1978年3月生まれ。東京都江東区出身。
高校時代からレスリングを始める。卒業後の1998年に渡米し、ロサンゼルスの柔術クラブで修業を積み、逆輸入ファイターとして格闘家プロデビュー。“変幻自在のトリックスター”として注目を集める。
2006年に現役を引退してからは、世界学生レスリング日本代表監督、拓殖大学レスリング部監督、作家、タレント、俳優、ダンスパフォーマンスユニットを率いるアーティストと、幅広い活動を展開。
2014年8月24日には自らがプロデュースするアマチュア柔術トーナメント「一騎討(IKKIUCHI)」を開催している。
須藤元気 オフィシャルサイト
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一騎討(IKKIUCHI)オフィシャルサイト
(取材:2014年7月)