笑いと涙のファンタジックコメディー
『スピリチュアルな1日』再演決定!
◆ 震災直後は、エンターテインメントはどうあるべきかと悩む時期でもありました。
改めて、エンターテインメントの在り方をどう捉えていますか?
石田 ぼくは漫才もやるし、お芝居の脚本も書いています。その中で、何より別れを扱うことにデリケートになりましたし、笑いに関しても、人をさげすむ言葉ではなく、楽しい言葉で笑わせるようにという意識が強くなりました。今回の 『スピリチュアルな1日』 もコメディでありながら別れを扱う物語ですが、多くの方に観ていただくべき作品だなと思えたんです。
須藤 震災直後は稽古もお休みになって、家の中でニュースを見続けるしかありませんでしたよね。その状況で 「こういう時、娯楽は何の力も持っていないんだ」 と痛感したんです。でも、本当はそうではなかった。みんな辛いことばかり見たくないんだけれど、目の前の現実しか見られない状況だっただけ。この公演を通して 「みんな、本当は笑いたかったんだ」 と感じました。私たちが 「余計なこと」「無意味なこと」 だと思っていたことが、本当は一番みんなが欲していると再確認できた。たった3日間と期間は短かったけれど、上演したことで、舞台に立つ私たちは救われました。
◆ 再演はどんな舞台になりそうですか?
石田 ぼくはTVのディレクター役。前回は、自分で “デキるディレクター” だと思い込んでいるペーペーな雰囲気が出すぎていたので、今回は敏腕な感じを目指します(笑)。新しいキャストとの芝居も楽しみですね。共演者のみんなが芸人であるぼくを信用しているからなのか、自由すぎて、アドリブをどんどん投げてくるんです。基本的に、本番での急なアドリブは禁止ですが、今回の新メンバーであるラーメンズの片桐仁さんは、きっと何か仕掛けてくると思うので、今から怯えています(笑)。
須藤 私は、前回はちょっとピリピリして怖過ぎるヒロインだったので(笑)、今回はもう少し、可愛らしいところもプラスできたらな、と思っています。舞台の魅力は、稽古から本番まで同じことを繰り返すところ。同じセリフを言っているのに、昨日と今日では感じ方が違う、毎日新たな発見があるんですよ。そんな自分の成長幅が一番見えるのが舞台であり、魅力を感じる部分です。もちろん、会場の変化や、お客様が加わることで空気も変わります。お客様が笑う場面で、「こういうところで笑うのか!」 と気付かされることも多いですね。
石田 最終日の稽古であっても未完成で、お客様の生の反応があってこそ完成するのが舞台なんですよね。テレビは重要なシーンをズームアップしてくれるけれど、舞台は出演者が観客の視線を誘導しなくてはいけません。だから、お客様の感じ方でズームの場面はそれぞれ違ってくるという面白さもあります。前回、様々な事情で観にくることができなかった方のための再演でもありますが、1年経った今、また違った新しいスタートがきれると思いますので、ぜひ多くの方に舞台の魅力を感じてほしいですね。
舞台『スピリチュアルな1日』公演情報
チケット:前売り5500円 当日6000円 ※全席指定
公演に関するお問い合わせ
アミューズチアリングハウス:03-5457-3476(平日15:00~18:30)
(東京公演)
あうるすぽっと 2012年6日13日(水)~24日(日) (大阪公演)
ABCホール 2012年6月29日(金)~7月1日(日) (仙台公演)
仙台市青年文化センター シアターホール 2012年7月7日(土)~8日(日) |
(この情報は2012年5月1日現在のものです)