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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

最重度自閉症児童の親が 立ち上げた福祉事業所
株式会社Colorfuln/放課後等デイサービス 日中一時支援ぱらそるん 代表取締役 坂入真弓

 
プロフィール 茨城県出身。シングルマザーとして長男と最重度自閉症である次男を育てるため、保険会社や工場などの仕事に従事。その中で障がい者福祉施設で働き始めた。10年におよぶ母子家庭を経て、現在の夫と再婚。三男と四男が生まれる。自分の経験を活かし社会貢献したいと考え2023年に(株)Colorfulnを立ち上げ、放課後等デイサービス 日中一時支援の事業所、ぱらそるんを開設した。保育士、児童発達支援管理責任者、介護福祉士等の資格を持っている。
 
 
 
障がい者福祉施設で長年働いてきた株式会社Colorfuln(からふるん)の坂入真弓代表取締役。自身の4人の子どものうち2人は最重度自閉症だという。障がいを持つ子を育ててきた経験を活かして社会貢献すべく、一念発起して茨城県つくば市で放課後等デイサービス 日中一時支援の事業所「ぱらそるん」を立ち上げた。長年感じてきた「こんな施設や支援があれば!」を形にしたという事業所の魅力に、マラソン元日本代表の千葉真子氏が迫る。
 
 
 

2人の自閉症児を含む4人の息子のママ

 
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インタビュアー 千葉真子(マラソン元日本代表)
千葉 茨城県つくば市の放課後等デイサービス 日中一時支援「ぱらそるん」さんにお邪魔しています。事業所全体が柔らかい雰囲気で素敵ですね。まずは坂入社長の歩みから教えてください。
 
坂入 私はシングルマザーの期間が約10年あり、長男と最重度の自閉スペクトラム症の次男を一人で育ててきました。生きるために保険会社や工場などいろいろな仕事をしましたね。その中で障がい者の福祉施設で働き始めたんです。
 
千葉 お一人で自閉症のお子様を育てながら福祉業界で働くなんて、並大抵の努力ではできないと感じます。
 
坂入 息子たちが2歳と1歳の頃からの10年ですから、本当に大変でしたね。その後、今の夫と再婚し三男と四男を授かりました。実は三男も最重度の自閉症なんです。
 
千葉 坂入社長ご自身も放課後等デイサービスなどを利用されていたのですか?
 
坂入 もちろんです。ただ、茨城には自閉症児向けの施設が少なく、息子の療育のために千葉で暮らしていたこともありますよ。
 
千葉 自治体によって支援に差がありますもんね。
 
坂入 そうなんですよ。茨城に戻ってからは「こんな施設があったらいいのにな」と思うことが多かったんです。そこで4人の子どもを育てている経験を活かし、自分で事業所を立ち上げる決断をしました。