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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

車種を問わず修理する
ベテラン自動車整備士

 

天職に巡り合い、板金修理の技術を磨く

 
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亀山 南郷代表がいかにして優れた技術を身に付けたのか気になります。ご経歴についてもぜひ教えてください。
 
南郷 私は高校卒業後、大手の自動車メーカーに就職し、そこで初めて板金修理や塗装などの仕事に携わりました。ありがたいことに、それらの業務は私の性に合っていたようでして。おかげさまで当時の上司にも「南郷は板金をやるために生まれてきたみたいだな」と言われるほど評価していただきました。
 
亀山 なるほど。まさにご自身の天職と出合ったわけですね。南郷代表にとって、板金修理の仕事はどのようなところが魅力なんでしょうか?
 
南郷 陥没した自動車のボディを修正機という機械で引っ張るなどして、元通りにするのがとても楽しいですね。それに試行錯誤してボディの凹みが直った瞬間は、とても達成感があります。例えば、ボディが円状に陥没していたら、直感的には凹みの中心を引っ張って戻そうとすると思います。しかし、凹みの中心は凹んだまま形を維持しようとする力が強く、中心を引っ張るために器具を固定している周囲の部分が耐えきれずに、余計に凹んでしまうんですよ。そのため、凹みに対してどのくらいの力加減で、どの位置を、どの方向に引っ張るかという判断がとても重要なんです。そのうえで、力をかける位置を変えながら、少しずつもともとのボディの形に戻していきます。
 
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亀山 そんなに複雑な力加減が必要だとは知りませんでした! かなり根気や経験が求められる繊細な作業なんですね。その後、独立するまでの歩みもお聞かせください。
 
南郷 その工場でしばらく勤務していたところ、当時の上司が見学に連れていってくれたとある修理工場で、自動車のボディをまるでキズや凹みが最初からなかったかのように仕上げる高い修理技術を目にしたんです。もちろん、大手自動車メーカーの工場でも丁寧な施工を行っていました。しかし、大手ですと依頼件数も多く、一つひとつの工程に時間をかけながらこだわった作業ができないジレンマもあったんですよ。そこで私は、より高い修理技術を習得するためにその修理工場に転職しまして。自身の技術に磨きをかけるとともに、さまざまな経験を積んだのちに独立し、南郷鈑金を設立しました。
 
亀山 野球でも黙々と練習する選手ほど成績が上向くといわれています。もともとの南郷代表の素質はもちろんのこと、こだわりを追求していくその職人気質によって高い技術を身に付けられたんでしょうね。