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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

 

本気でやりたい仕事を探し
俳優の道を突き進んだ

 
今年、芸能生活30周年を迎えた俳優の的場浩司さん。デビュー前は自身が本当にやりたいことを探し、さまざまな仕事にチャレンジしたという。その中で見つけた俳優という仕事には、どのような思いを持っているのか。これまでの30年を振り返りながら、変わったことと変わらないこと、また、子育てについても語ってもらった。「本気で仕事に取り組むやつはかっこいい」と話す的場さんの目は、もちろん“本気”だ。
 
 

一生かけてやりたい仕事を探した

 
今でこそ俳優という仕事に心血を注いでいますが、昔はやりたいことが見つかりませんでした。18歳頃から、自分の将来についてよく考えるようになったものの、やりたいことが見つからない。当時、いろんな仕事にチャレンジしていましたね。僕の中では、10円でもお金をもらう以上プロなんです。だから、どの仕事でも手を抜いたことはありません。花屋の店頭で働いていたときには、ブーケも自分でつくっていたんですよ。
 
どの仕事もとてもおもしろかったし、やりがいがあったけど、「これが俺の一生かけてやりたい仕事なのか」と考えると、そうではない気がしたんです。「まだ何かやりたいことがあるんじゃないか」って。そして、僕にとっての“一生かけてやりたい仕事”は、俳優だったんです。
 
好きな仕事であるからこそ、乗り越えられることってあると思うんです。例えば僕の場合、新人の頃は現場のスタッフにいろいろと言われていました。「おい的場」と呼び捨てされることは当たり前で、「うじ虫」と呼ばれたこともあります。俳優の仕事を始める前の自分だったら、絶対に怒りを抑えることはできなかったでしょう。でも、「怒りを爆発させたら、今後この仕事ができなくなるかもしれない」と我慢したんです。「いつか俺のこと的場さんって呼ばせてやるからな」って思いながら。今になって振り返ると、その考えも小せえなぁと思いますけどね(笑)。
 
でも、その後本当にそのスタッフの方に「的場さん」と呼んでいただく機会がありました。「的場さん」と言われたとき、その方に本当に感謝しましたね。だって、新人時代に「いつか見返してやるからな」という思いにならなければ、「この仕事もやりがいがないな」と辞めてしまっていたかもしれない。当時は理不尽だと感じたことが、がむしゃらに努力できた理由の1つでもあるんです。だから、そのスタッフの方には「昔みたいに的場って呼んでください」とお願いしましたよ。
 
 
 
 
 

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