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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

農家出身の税理士が
税金の悩みをサポート

 

講師の仕事を通じて税理士の仕事に前向きに

 
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阿部 中学生のときはどうして、ネガティブな印象を持っていたんでしょうか。
 
阿泉 それは育った環境が大きいと思います。ご紹介したように実家が税金に関する悩みを抱えていたので、税理士という道しか選択肢がないと思っていたんです。でも、それは自発的に目指したいと思っているわけではなく、強制的にやらされているような感覚があったんですよ。
 
阿部 私は母がプロゴルファーなので、幼い頃からゴルフの指導を受けていました。放課後はすぐにゴルフの練習に行き、帰宅した後、夜の23時から宿題をする。それを繰り返す日々を送っていたため、確かに将来の不安を考えるすきもなく過ごしていました。でも母がコーチだと、どうしてもやらされている感覚から脱出できず、ゴルフがあまり好きではない時期もあったんです。その辺は少し、阿泉代表と似ているかもしれませんね。
 
阿泉 阿部さんにもそういう時期はあったんですね。
 
阿部 それが一変したのは2017年にミス・ユニバース・ジャパンに選ばれたことがきっかけでした。受賞後、5年ほどゴルフをしていない時期があったんです。そのときにゴルフに向き合って必死で練習したかけがえのない時間を思い出して、自分はゴルフが好きだったことに気付きました。だから今では自発的にゴルフに取り組めています。阿泉代表が税理士としてどのような道を進んだのかもとても気になりますね。
 
阿泉 実はすぐに税理士になったわけではないんです。大学を卒業した後、資格の大原で社会人を対象とした税理士資格コースの講師の仕事に就きました。必死に勉強する生徒さんたちは、資格を取ることで現状を変えたいという思いに溢れていて、志が高かったです。そのような方々の成長に関わることで次第にやりがいを感じていき、税理士の仕事に対して私もポジティブに考えられるようになったんですよ。そうして20代を講師の仕事に懸けてきて、30歳を機に税理士事務所で実務経験を積み32歳で税理士として登録しました。
 
阿部 必死に勉強をする生徒さんに刺激を受けて税理士の仕事にポジティブに向き合えるようになったなんて、とても素敵な話ですね! 独立後はどのような業務を行っているんですか?
 
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阿泉 確定申告に関する業務はもちろん、保有している土地などの資産をどのように活用すべきかについて、税金はもとよりさまざまな観点から相談に乗るサポートなどをしています。税金を払うために資産を処分すると、その家のアイデンティティが消失することにもなりかねません。売却するしかないのか、家族や地域との縁をつなげるために守ったほうがいいのかなど、税理士ならではの知識を生かしながら、多角的な視点でアドバイスを送ることが私の役割というわけです。
 他に、名古屋市にある横山美術館さんに対して監事の立場からお手伝いさせていただいております。この美術館は明治時代に輸出品として日本経済を支えた里帰り品の陶磁器のみ専門に展示して、その素晴らしい技術と大切な歴史を後世に残そう活動している日本で唯一の美術館なんです。私の持つ税金の知識が微力ながら社会公益のお役に立てればと思っています。
 今後は地元で頑張っている企業に対しても会計や税務を通してご支援していきたいですね。