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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

産後まで寄り添う助産院
幅広い活動でママを支援

 

お産を取り扱う、住之江区唯一の分娩機関

 
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狩野 出張対応もしながら、天子助産院さんでの診察やお産も伴走できる助産師として活躍なさっている笹倉院長。他院の産婦人科と比較しても、とてもお忙しいのではないでしょうか?
 
笹倉 そうですね。もともとお産を取り扱っていない産婦人科も多いですし、ここ数年でお産から手を引いた先生も増えています。冒頭で狩野さんもおっしゃった通り、現在、当院は住之江区唯一の分娩機関です。他院での妊婦健診の途中で「この院では出産はできない」と断られて、初めてその院が分娩機関ではないことを知ったという利用者さんも診てきました。
 
狩野 今、そんなに分娩施設が減っているんですね。産前ケアが大事ということはお話を通して理解していたので、ギリギリになってあらためて産院を探すのは妊婦さんにとって心身ともに負担が大きいでしょうね。
 
笹倉 おっしゃる通りです。産前のケアが少なかったことで産後うつになる方も少なくありません。当院では大阪府内5つの病院・クリニックと提携し、利用者さんに産科を選んでいただき先生の診察も受けて、安心してもらえるようにと思っています。いろいろな先生と協力し合うことで、遠方にお住まいの方もなるべく通院しやすいところを選択でき、無理なく通院していただけると考えているんです。
 
狩野 それなら利用者さんの負担も減りますし、安心して通えると思います。妊娠中の方は、精神面も不安定ですので、少しでもストレスを減らすことが大事ですよね。
 
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笹倉 ええ、そうなんです。先日も、入院中の妊婦さんから、泣きながらお困りごとについてのお電話をいただいたので、まずは入院先の病院の助産師に相談することをおすすめしました。産前から利用者さん一人ひとりと向き合ってフォローができれば、利用者さんに不安を感じさせたり悩ませたりすることはなくなるはずです。私たち助産院は、どんな些細なお悩みでも一緒に寄り添い支援する、世のママたちの駆け込み寺でありたいと考えています。
 
狩野 私も、妻が妊娠中はどう接していいのかわからず、悩んだ経験があります。1人目を出産した妻が「自分でも精神状態がよくわからなかった」と話してくれたことで、その後は「今はどうしたい?」と聞けるようになりました。妊娠中の女性は、それほど繊細なんですよね。
 
笹倉 パパが自分の気持ちを尊重してくれる、それだけでママはとっても安心できます。当院にも妊婦健診にご夫婦でお越しになる方や、率先して育休を取られるパパが多いんです。そういった配慮が、ママにとって力強い支えになっていると思いますよ。