吉本 いえ、以前はカンボジアで営業の仕事をしていました。サムライの格好をして屋台を開いたこともあります(笑)。
嶋 なかなかユニークなご経歴をお持ちなんですね(笑)。どのような経緯で福祉の世界へ入ったんですか。
吉本 現地の福祉事業団体のお手伝いをしたのがきっかけでした。そのときに、残念ながら障がい者への偏見を目の当たりにしまして。ただ、国からの保証が手薄い中でも「生き抜かなければ」と頑張る姿に胸を打たれ、日本で福祉の仕事をしようと決めたんです。現地では福祉とは関係のない餃子屋を開いていたのですが(笑)、当時の仲間も今の事業に協力してくれています。
嶋 人生、どこでどうなるかわかりませんね。実際に福祉業界で働かれて、いかがでした?
吉本 サービスは手厚いものの利用者様との間に距離を感じました。そこで、自分でグループホームを立ち上げようと考えたんです。当時は特別なノウハウはありませんでしたが、自分の理想を追うために独立を決意しました。現在は障がいのある方が、将来のために自立を目指す施設、グループホームを男性・女性専用で合わせて4施設運営しております。ありがたいことに、入居者依頼も増えている状況です。
嶋 依頼が増えているのは御社のサービスが手厚い証拠だと思います。施設運営では、どんなことに気を付けておられますか?
吉本 利用者様一人ひとり、物事の感じ方や価値観が異なりますから、その性格に応じて接することを大事にしています。
嶋 “障がい者”と一括りにせず、それぞれの方をかけがえのない個人として捉え、接しておられると。当然のことなのに、今の日本人の多くに欠けている考え方のような気がします。
吉本 私自身としては、シンプルな動機でしてね。素人同然で事業を始めた分、まずは相手をよく知ることが大事だと考えたんですよ。
嶋 “障がい者”と一括りにせず、それぞれの方をかけがえのない個人として捉え、接しておられると。当然のことなのに、今の日本人の多くに欠けている考え方のような気がします。
吉本 私自身としては、シンプルな動機でしてね。素人同然で事業を始めた分、まずは相手をよく知ることが大事だと考えたんですよ。