矢部　付加価値のあるサービスを提供するために、御社で得意としていることは、どんなことですか？
 
諏訪　お客様の潜在的需要を引き出して、プラスの想定外のゴールに導くということでしょうか。リフォームやリノベーションにおいて一番大切なことは、お客様のご要望を徹底的にうかがうことです。弊社が目指すのは、お客様ご自身が気付いていない不便さやお悩みも解決できるような、向上のうまれる想定外のゴールですね。
 
矢部　お客さん自身が気付いてないことを知るなんて、本当にできるんですか？
 
諏訪　できます。私たちの打ち合わせの場所は大抵、お客様のご自宅で行うことが多いです。家というのは、施主の方の趣味嗜好が反映されるところですよね。私自身、アパレルショップの店長をやっていたときは、その方の服装や持ち物を見て会話をする中でお客様の好みなどを把握したうえで商品をお勧めしていました。それと同じで、お客様のご自宅を拝見させていただき、会話する中でわかることがたくさんあります。もちろん、お客様との対話の中でじっくりとニーズを探ることも大事ですが、そうした中で、お客様のご要望でも必要がない工事があれば、それも正直にお話しするようにしています。
 
矢部　お客さんがやりたいとおっしゃってもですか。普通は利益を重視して、「やりましょう」と言うところですよね。
 
諏訪　でも、それでは本当のお客様ファーストにはなりません。私は、お客様に利益があることしかご提案したくないんです。そういうスタイルで営業をしていたので、営業を始めたばかりの時はよく上司から叱られましたよ（笑）。ただ私の経験としてお客様のご要望が、リフォームする必要がない場合には、リフォーム以外の代替案を提案し、その場では工事受注にならなくても、この代替案がお客様の気持ちに響いた場合、何年後かに、そのお客様から私を指名で工事を依頼いただくようなケースは、今でも良く経験させていただいています。
 
矢部　大手さんだと、どうしてもお客様より利益優先になってしまうこともあるでしょうね。でも諏訪社長は、これまでのご経験は活かしつつ、“お客様ファースト”の精神は徹底的に大切にしている。それが“諏訪スタイル”なんですね。