平林　いえ、実は以前はまったく違う業界でした。もともとは大手百貨店で高級ブランドの販売員をしていたんですよ。
 
宮地　百貨店の販売員、しかも高級ブランドとなると、高度なレベルの接客が求められますよね。さまざまな人と接するためのコミュニケーション能力もその時に培われたのでしょう。その後、介護業界に入られたきっかけは？
 
平林　ますます高齢化が進む中で、介護サービスの必要性を感じたからです。そこで、デイサービス事業所に職員として就職しました。その後、介護を必要とする高齢者の自立を支援し、家庭での介護の復帰を目指している方を対象に可能な限り自立した生活を送ることができるよう、リハビリテーションを行う介護老人保健施設、いわゆる老健に転職したんです。そこでデイサービス相談員として経験を積みました。
 
宮地　その後、ケアマネジャーとして独立なさった経緯も気になります。
 
平林　当時、勤務していた老健が系列の事業所を新たにオープンすることになり、施設の立ち上げに携わりました。その際、近隣で事業を行うケアマネさんへの営業活動のため、ご挨拶にうかがったんです。そこで私は、ケアマネさんたちが各々で多様な働き方をしていることに感銘を受けたんですよ。事務所を構えて数人で業務を行っている方もいれば、中には一軒家にお住まいで在宅ワークをしておられる方も。それを見た私は「こういう働き方なら、仕事と家事や育児を両立できる」と感じ、ケアマネとして働くことを目標とするようになったんです。