プロフィール 埼玉県出身。中学校3年生のときテレビで西部劇を見たことをきっかけに、革の魅力に引き込まれる。ものづくりが好きだったこともあり、レザークラフトに没頭。学業修了後は建築業界に進み、建築士として設計の仕事に携わる。本業と並行してレザークラフトを続け、腕を磨く。建築会社に約40年間勤めた後、革職人への思いが捨てきれず退職。レザー工房ヤナイを立ち上げた。【
ジャケットやバッグ、財布など、使えば使うほど味が出る革製品。このような革製品をオーダーメイドで製作するのが埼玉県所沢市内に工房を構える、レザー工房ヤナイだ。革製品のリペアやリメイクも手がける矢内昌巳代表は、革製品の魅力に心を鷲掴みにされて以来およそ50年、レザークラフトを続けてきた。「革製品の魅力や楽しみ方を伝えたい」と語る矢内代表に、その楽しさや、仕事への思いをじっくりうかがった。
インタビュアー 石黒彩 (タレント)
石黒 今日は、革製品のオーダーメイド製作や、修理・リペア・リメイクなどを手がける、埼玉県所沢市のレザー工房ヤナイさんにお邪魔しています。さまざまな革製品が所狭しと並んでいて、どれも素敵ですね! 夫の真矢君も私も、超がつくほどの革好きなんです。だから、今日は矢内代表とお話しできるのを楽しみにしてきました!
矢内 石黒さんにそう言ってもらえると嬉しいです。今日はよろしくお願いします。
石黒 こちらには工業用のミシンがたくさんありますね! それに、縫製の糸だけでも、何十種類もの色や素材があって驚きました。
矢内 石黒さん、よくご存じですね!
石黒 実は実家がもともと小売業をしていて、家族に、彫金師やドレスのデザイナーなど職人が多いんです。違う道に入ったのは私だけなんですよ(笑)。それにしても、この工房は、“男のロマン”を感じる空間ですね!
矢内 ありがとうございます。当工房は革好きな方のために、革小物をつくったり、レザークラフトの知識を学べたりする革教室も開講しているんです。教室には男性もたくさんいらっしゃいますが、実は今は女性のほうが、革の加工を学びたいと多くいらっしゃるんですよ。
石黒 生粋の革好きな男性が好んで集まる場かと思っていましたけど、女性にも人気があるんですね!
矢内 はい。通っている方々の年齢層は10代~70代と幅広く、しかも8割以上が革の加工は初めてという初心者の方なんですよ。工具もすべてそろっていて、無料で貸し出ししているので、皆さん手ぶらで気軽にいらしていただけます。