「三方良し」とは、近江商人の経営哲学だ。商売とは、「売り手」と「買い手」に利益をもたらすだけでなく、「世間」にも利益をもたらさければならない。株式会社石田鉄工所、石田誠一郎代表取締役社長は、この「三方良し」を企業理念として掲げている。売り手・買い手・世間、これら三方の利益を同時に満たすために必要不可欠なのが、どのようなニーズにも応えられる優れた技術力である。
目指すは近江商人の経営哲学「三方良し」
石田 2022年から、こちらに工場を構えています。独立した当初は、20坪の工場から始めたんです。そこから徐々に規模を大きくして、6年かけてやっと今の工場の規模にまで大きくできました。
狩野 ここが石田社長の築いた城というわけだ。ご出身は大阪ですか?
石田 いえ、宮崎県延岡市出身です。実は、家出同然でこちらに出てきました。最初は、兵庫県川西市にある鉄工所に3年ほど勤め、その後、別の鉄工所に転職して10年、30歳のときに個人事業主として独立しました。
狩野 不退転の思いで突き進んでこられたのですね。石田鉄工所さんを設立されたのはいつ頃なのでしょう。
石田 2022年です。会社としては、まだスタートしたばかりですね。「自分良し」「相手良し」「世間良し」という売り手、買い手、世間の三方に利益をもたらす「三方良し」の企業でありたいと常々考えています。