畑山　これまで携わってきた案件の中には難しい現場もあったかと思います。「これは困った」というご経験はおありですか？
 
河野　真っ先に思い出すのは、「アメリカンな家にしてほしい」というご依頼です。アメリカンといっても、ウエスタンやNY風、ハワイアンなどいろいろなテイストがありますよね。正直、弱りました（笑）。そこで一考し、飲食チェーン店の写真をお見せしたところ、「これこれ！」と納得されたんです。
 
畑山　お客さんがイメージしているものを、河野代表がわかりやすく表したわけですね。確かに漠然とした表現だと、ゴールが共有できませんものね。
 
河野　中には、「かっこ良くしてください」という要望も多いんですよ（笑）。でもお客様との共有するイメージを曖昧にしておくと、後でトラブルになりかねません。そうならないためにもリサーチやヒアリングを行い、お客様の理想像を汲み取るよう努めています。
 
畑山　なるほど。お客さんと丁寧にコミュニケーションを取りながら、双方のイメージをすり合わせていくわけですね。
 
河野　はい。床一つを取っても模様や材質、機能など千差万別ですからね。お客様とのやり取りで心がけているのは、相手のこだわりを否定しないこと。大切な思いをいかに具現化するかが腕の見せ所です。施工がうまくいった時は、お客様と同じく私も心底嬉しいんですよ。
 
畑山　「こんな家にしたい」をすくい上げ、形にする。本当に素敵なお仕事だと思います。今後について、どんな展望を持っておられますか？