八重樫　昭和の時代に比べると、現代はいわゆるご近所づきあいも少なくなり、他人との付き合いが希薄になっていると一般的に言われていますよね。それは近年のコロナ禍の影響で、さらに加速したように思います。そのような人と人とのつながりが減ってしまっているこの時代において、故人と遺族の思い出を大切にするお二人のお仕事は、本当に素敵なものだと感じました。
 
小橋　ありがとうございます。お客様とのちょっとした会話の中で思い出話をお聞きしたり、仕分け作業をしている中でアルバムや思い出の品などを見つけたりすると、本当に優しい気持ちになれますね。
 
小森谷　私もこの仕事を始めてから、周囲の人に優しくなれたように思います。私は、より家族を大事にしようという気持ちが強くなりました。残念ながら孤独死を迎えてしまった方も、かつてはご家族との幸せな時代があったのだと、アルバムの写真などから感じ取れるんです。最期にはやはり、ご家族と会話がしたかったのではないかと思うと、胸が締め付けられる思いになります。だからこそ、せめて自分自身は、もっと家族と共に過ごす時間をつくりたいと思うんですよ。