
インタビュアー 山本隆弘(元バレーボール選手)
山下 そうなんですよ。でも、35歳の時に父親が経営参加する精密機器メーカーからお呼びがかかり、会社員に転身したんです。そちらの会社ではキヤノンの下請けとして、交換レンズの製造や塗装をしていました。その仕事では、塗装ブースのメンテナンスに使用する凝集剤の販売もしていたんです。ところが、この事業だけは思うように売り上げが伸びなかったんですよ。さらにコロナ禍による経営難もあり、会社が凝集剤販売事業から撤退するという話になった時にその事業を引き受ける形で独立しました。
山本 赤字だった事業で起業されたわけだ。不安はなかったですか?
山下 不安もありましたが、前職で営業部長をしていたので人脈があったのと、現場の方たちに必ず喜んでもらえる商品だという自信もありました。それに、企画段階から携わっていた商品で思い入れもありましたから、不安よりも成功させたいという思いのほうが強かったですね。
山本 強い意志のもと、自信を持ってスタートされたと。ところで、「塗装ブースで使用する凝集剤」とは一体どういったものなのでしょうか? なじみがないのでピンとこなくて。

山本 わぁ! みるみるうちに汚水が透明になりました。これはすごい。汚れって下に沈むイメージがあります。浮くというのはなかなかないのでは?
山下 おっしゃるとおりで、他メーカーでも凝集剤はたくさんあるものの、汚れが沈むものが主流であり、浮上するタイプは珍しいと思います。